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提督はBarにいる。
明けちゃったけど正月の騒ぎ・その4
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見やってその場を離れようとしたり同業者同士の苦労話等に花を咲かせたりして自然と居なくなってくれる。

「……はぁ、ようやく解放されたぜ」

 そうぼやきながら、すっかり気の抜けてしまったシャンパンを煽る提督。本当は目立たず隅に居て、美味い物を飲み食いしてトンズラする予定が狂わされてしまった。

「野郎、覚えとけよ」

 誰に言うでもなく、提督が毒づいた。

「提督、どうされますか?」

「どうされますか?っつってもなぁ……目立たされちまったから、この後もつきまとわれるんだろうなぁ」

 大淀に尋ねられて心底嫌そうに答える提督。これでは新年を祝うパーティというより、経団連等の賀詞交換会のようだ。と、そんな事を考えながら迎賓館の中庭に目をやると、石で竈が組まれており、そこで竹が直火で炙られながらクルクルと回されていた。

「ヘイdarling、あれは何してるの?」

「ありゃあ確か、ブルネイの……イバン族、だったか?の伝統料理だな多分」

 ブルネイの食文化というのは、周辺国であるシンガポールやマレーシア、インドネシアに多大な影響を受けており、所謂エスニック系の料理が多い。また、移住してきた住民や歴史的背景から中国・インド・日本の影響も少なくない。しかし古くから住まう原住民族もおり、その食文化はまた一味違う物なのだ。

『よぅ、何を作ってるんだ?』

 調理を行っていた青年に、流暢な英語で尋ねる提督。普段から喋れない訳ではないのだが、ただ単に面倒くさがっているだけなのだ。

『イバン族の伝統料理、バンブーチキンさ。美味しいよ?』

『そうか、じゃあ3人分貰おう』

 ニコリと笑った青年は、提督から受け取った皿に竹の中身を入れていく。中に入っていたのは大ぶりにカットされた骨付きの鶏肉と玉ねぎ、それにタマリンドという酸味の強い果実がゴロゴロと出てきた。

「ほれ、バンブーチキンだとさ」

「oh!ワイルドな料理ネー!」

「でもこういうのもたまには良いですね」

 作り方は材料さえ揃えれば意外と簡単だ。大きくカットした鶏肉にスライスした玉ねぎ、それとタマリンドを塩、味の素、香辛料などで味付けして節を抜いた竹の中に詰める。蓋の代わりにニッパヤシというヤシの仲間の葉を丸めて詰めて、後は竹を直火で回しながら炙るだけ。水は入れずに竹とヤシの葉、それと鶏肉と玉ねぎの水分だけで蒸し上げるのだ。50分程炙れば完成。ヤシの葉から出た香りがアクセントになっており、中々美味しい。



「やぁ、楽しんで貰えているかな?」

 提督達に話しかけて来たのは誰あろう、ブルネイの国王その人だった。

「えぇ。それなりに楽しませて貰ってますよ」

「どうだろうか?来年度以降の海上護衛任務についての打ち
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