暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第40話「女子会」
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       =桜side=





「おー、本格的だな。」

「さすが、お金かけてますね。」

 夕食の時間になり、全員が大広間で食事をする事になった。
 やはりお金をかけているのもあり、相当凝った和食だった。

「本格的...と言われてもボクにはわかりづらいなぁ...。」

「ん?そうだな...例えば山葵だな。」

 シャルにはどういう部分が本格的か分かり辛いみたいなので、秋十君が説明する。
 ...まぁ、これは和食をそれなりに知ってないと日本人でも分かり辛いしな。

「山葵?」

「ああ。...間違えても単体で食べるなよ?」

 釘を刺しておく。さすがに起こらないだろうけどさ。
 ...“原作”じゃ、食べてたな。先に説明して正解か。

「これは好みで刺身に付けて辛さや風味を楽しむものなんだ。...で、家とかでよく使われるのが練りワサビ、こっちは本わさびだ。」

「...どう違うの?」

「練りワサビは色々加工しているものだけど、本わさびは実際に山葵をすりおろしたもの。風味とかも段違いなんだ。」

「へぇ...。」

 そういってシャルは山葵を少し刺身に付けて食べる。

「っ、鼻に来るね....。」

「まぁ、山葵ってそういうものだしな。」

 ふと、隣を見てみると、セシリアが足をモジモジしていた。
 体勢が正座なので、なぜそうしているかはすぐに察しがつく。

「...辛いか?」

「い、いえ....せっかく取った席なんですもの。耐えて見せますわ...。」

 そうは言うが、辛そうだ。

「...別に、少しぐらいなら足を崩してもいいんだぞ?」

「は、はい...。正座って、とても辛い姿勢なんですのね...。」

 そう言ってセシリアは少し足を崩す。...でも、正座から崩すと....。

「っ...!?ひぅっ...!?」

「...あー、思わずひっくり返さないようにな。」

 滞っていた血液が一気に通るようにになり、足が痺れてしまう。
 少しでも刺激を与えれば何とも言えない感覚に見舞われてしまう。

「...そういう訳だから。本音、悪戯に足をつつこうとするな。」

「えー?セッシーの反応が気になるんだけどなぁ〜。」

「っ、や、やめてくださっ...〜〜!?」

 こっそりつつこうとしていた本音を止めておく。
 それに驚いたセシリアが喋る途中で足が刺激されたのか、声にならない悲鳴を上げる。

「....茶道とか、“和”の文化ってこういう正座をよくするんでしょ?...なんというか、ボクたちからすると結構凄いよね...。」

「んー、日本人でも正座は苦手な人は多いけどなぁ...。」

 
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