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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百四十五話 華燭の宴
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協力してくれると言うのは有りがたい。しかし全部任せるとまた大きな顔をしかねないからな。半分を連中に任せあとの半分は兵站統括部に頼むことにした。リヒター達は不満そうだったが、俺が官僚達は信用できない、仕事振りに不備が有れば容赦なく仕事を取り上げると言うとシュンとなっていた。
まあそんなこんなで開発計画書の策定、と言っても取りあえずの物が出来た。先ずは向こう十年間で宇宙港の拡張と発電所の建設を行う。そして技術者も育成する。今のままでは絶対に技術者が足りないのは分かっているんだ。
宇宙港は管制官、整備士、レスキュー、発電所は電力生産要員、保安要員などだが、それらを育成しなければならない。そして配置だ、配置はベテランも含めた帝国全体の再編成になる。辺境に行きたがらない人間もいるだろうから待遇面で何らかの優遇をすることも考えなければ……。
惑星内の開発も同時進行させなければならない。インフラ整備、教育、医療、順次進めていく。こっちも人の育成が必要になる。医者、教育者、インフラの保守メンテナンス要員……。通常の道路、上下水道の整備……、やれやれだ。
五年たったら一度計画の見直しを行う。おそらくその時点で新たな宇宙港の必要性とか発電所の増設が必要とか要望が出てくるだろう。官僚達の言うとおり、開発を一度進めれば際限なく金が出ていくことになる。しかし、それでもやらなくてはならない。帝国内に見捨てられた土地なんて存在する事は許されないんだ。
戦争が無くなれば人口も増える、その増えた人間が安心して暮らせるようにする。少なくともその点でオーディンと辺境に格差が有るのはおかしい。税を取る以上、最低限の保証は政府が行うべきだろう。税を取る事だけに熱心になってどうする、政治不信が高まるだけだ。
辺境開発の計画が出来上がったからだろう。結婚式に出席したクラインゲルト子爵バルトバッフェル男爵、ミュンツァー男爵、リューデリッツ伯爵もニコニコだった。計画が出来上がっていなかったらと思うと寒気がする。あの結婚式で仏頂面したオッサンどもの顔なんぞ見たくもない。
酷い結婚式だった。皆喜んでいたが俺は少しも喜べない。二度とあんな思いをするのは御免だ。絶対にユスティーナとは別れないし、別れても再婚はしない。絶対にだ。ユスティーナは大事にしないと。
最初の出だしから納得がいかなかった。式自体は九時から、披露宴は十時半からという事だったが俺とユスティーナは準備が有るから七時には新無憂宮に来いと言われていた。
七時に新無憂宮に行くとさっそく控室に通されたのだが、そこで待っていたのはリヒテンラーデ侯だった。意地の悪そうな顔をして着替えをしろと言い出す。俺は軍服で式を挙げるから着替えは必要ないと言ったんだが爺様はニヤニヤ笑い出した。あの時はぞっとしたよ、今日は結
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