第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#43
FAREWELL CAUSATIONV〜All Round Attack〜
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目的の場所へと
「瞬間的」 に(厳密には秒間だが)移動するのが少女の紡ぎだした作戦。
空間を削り取る能力のように、広大射程の何処にでも出せるスタンドのように、
流法の破壊力を 「推進力」 に換えて、
一挙に距離を縮め残りのピニオンを全て破壊する算段。
だがあくまで素人考え、炸裂飛翔のタイミングをミスれば
“最良でも” 片足が根刮ぎ吹き飛び、更に軌道計算を誤れば
鉄筋ビルに超高速で真正面から激突するコトになる。
しかしそれは避けようのないリスク、
戦闘の経験が皆無なら、それでも成果を欲するなら、
自らの傷や犠牲を覚悟して全身全霊、
尚かつ 『運』 という不条理にも身を委ねる他はない。
他の者が血を流して、何度も何度も死線を潜り抜けてようやく得られる能力。
それら一切を無視して小賢しいだけで、
大した代償も支払う覚悟もなく戦果を上がられるほど、
真実の 「戦場」 は甘くない、
寧ろソレに対する冒涜と云えるだろう。
ただ、その絶望的不利を打開せしめるのが
弱者の搾り出す 『勇気』
何の能力も持たずとも、端から勝算などないとしても、
その小さな輝きは絶対的強者の圧威にも劣る事はない。
それが殆ど唯一、無力な彼女に残された武器、
必要なのは、窮地に際しては鋭い等という都合の良い妄想ではないのだ。
(方向は、コレで良い筈です。
私じゃなくてライトちゃんの 「眼」 は、スゴク正確ですから。
アノ “花” は大きくて目立ちますから概算で合ってればそれでいい、
後はどれだけ疾く行動出来るか、
私の能力が持つかどうかです――!)
無論不確定要素は無数に有る、
ピニオン直近に燐子の罠が仕掛けられている事は充分考えられるし、
ソレを守護する者が(現在交戦中だとしても)優先順位を替えて
自分に襲い掛かってくるかもしれない。
だがIfの話をしていたら一歩も動き出せない、
戦場での 「ちょっと」 は処刑前のそれと変わらない。
だから――
「行きますッ!」
ビル屋上の高層から、少女はリスクのある 「後」 ではなく
しっかりと 『前』 を見据えた。
元より時限式の能力で在るため躊躇する暇はない、
だが恐怖に囚われず目的だけに集中し完遂しようとする彼女の精神が、
スタンドを機動を通常より研ぎ澄ました。
“踏み出さなければ何も変わらない、しかし一歩踏み出せば、確実に何かが変わる”
『エイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァ―――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!』
叫んだのは少女かスタンドか、
路面に走る亀裂
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