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Blue Rose
第三十七話 生まれた陰その十四
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「自衛隊は」
「そうそう」
「自衛隊は制服よ」
「軍服じゃなくてね」
「そう呼ぶのよ」
 軍隊ではないという建前なので制服と呼ぶのだ、この辺りの用語は中々苦労をして考えて使われているのだ。
「自衛隊ではね」
「そうなのよね」
 優花もこのことについて同意して頷く。
「私あのセーラー服好きなの」
「海自さん伝統のね」
「海軍からの兵隊さんの服よね」
「あれはもう定番よね」
「かっこ可愛い?」
「そんな風よね」
「ええ、私中学の時はセーラーをよく見たわ」
 着たとは言えなかった、優花は嘘は言えないのでそこはぼかして言ったのだ。
「いいわよね」
「もう高校でセーラーの学校殆どないけれどね」
「中学ではまだセーラー多いしね」
「セーラーはその水兵さんの服なのよね」
「男の子の詰襟が陸軍さんで」
 陸軍の軍服がカーキ色から黒になったものだ、高倉健さんが出ていた映画を観るとそうしたことがよくわかる。
「ブレザーもそうなのよね」
「私達が今着てる制服もね」
「元々軍服なのよね」
「トレンチコートやフロックコートもね」
「そうなのよね」
「そうなのよね、ブレザーもなのよね」
 優花もクラスメイト達の言葉に頷く。
「全部ね」
「そうそう、元は軍服よ」
「ブレザーにしても」
「海自さん兵隊さん以外は殆どブレザーなのよね」
「黒くて生地の厚い」
「たまに七つボタンの詰襟の人いるけれど」 
 航空学生や曹候補生等である、士であるが特別な立場であるのだ。
「大体ブレザーよね」
「あのブレザーもいいのよね」
「金色が入ったりしていて」
「格好いいわ」
「あの制服も見てみたいし」
 優花はあらためて言った。
「佐世保にもね」
「衝夫には気をつけてね」
「そして行ってきてね」
「あいつは自分は暴力振るい放題なのに自衛隊は暴力装置とか言うから」
「そうした奴だから」
 学校の教師では多い、自分は幾ら暴力を生徒という自分よりも立場や年齢、力が弱く抵抗出来ない相手に振るっても自衛隊時には警察にこう言うのだ。
「ヤクザ屋さんみたいな奴だし」
「実際ヤクザ屋さんみたいなジャーナリストとも付き合ってるらしいわ」
「だから余計にややこしいから」
「とんでもない奴だからね」
「そんな先生がいると思うと」
 優花にしてはだった。
「怖くて仕方ないわね」
「だから注意してね」
「早くいなくなればいいけれど」
「悪事も揉み消してるみたいで」
「中々捕まらないから」
 クラスメイト達は衝夫について忌々しげに話してそれをそのまま優花への忠告としていた、優花は彼女達の言葉に頷いていたが彼女が気付かないうちにそれは手遅れとなっていた。


第三十七話   完


             
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