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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第243話 譲れない想い
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り越えようと頑張っているんだ。そして、ここでもきっと全ては繋がっていると思えるから。だからこそ、アスナの心も強くなる事が出来たのだ。大切な妹が、自慢の妹が傍にいてくれるから。
そして、その様子が、圧倒的な戦力差でも戦うのだ、と言う事が判った様だ。
「往生際悪ぃン……」
肉食獣めいた笑みを浮かべて叫んでいるのだろう。
だけど、その勝ち誇ったかの様なセリフが、最後まで発せられるよりも早く。またしても、アスナとレイナ、そしてこの場に集うプレイヤー全員の想像を遥か置き去りにする事象が起きた。
「あっ、あれは……!?」
最初にそれに気づいたのは、暗視能力に長けたスプリガンのノリだった。そして、1秒もしない内に、全員が気付く事になった。
後方から迫ってきている敵勢たちの上空を――、飛んでいる? 様な鮮やかな影が見えたのだ。真っすぐではなく、右へ、左へ……、縦横無尽に空中を駆けている。太陽と月の恩恵を得られないダンジョンでは、翅が使えないから、翅を使って飛び回っているのはあり得ない。だけど、あの影は 自在に飛び回っているのだ。
そして、その僅か後ろに……、もう1つ黒い影が生まれていた。回廊のゆるく湾曲する壁面上を、何かが……疾駆している。
共通するのは、どちらもあまりの速さ故に、人影が黒くかすんでいる、と言う事だった。
コンマ数秒後に、あの事象が何なのか、理解する事が出来た。ダンジョンの空中を自在に駆け巡っているのは、軽量級妖精の共通の体術スキル《疾空》。二段以上のジャンプが可能になる空中疾走のスキル。そして、あの湾曲している壁面を走っているのは同じくスキルの《壁走り》。
スキルで説明出来る事……ではあるものの、疾空のスキルのジャンプ出来る回数は精々3〜4回。そして 壁走りのスキルで移動できる距離は精々10m。そのあたりが限界だというのが通説だ。
だというのに――、もう目の前の影達は、その倍。……いや、3倍、4倍は超えている。
そんな型破りな事をするのは―――。
「……随分とまぁ、勇ましいんだな? たった9人相手にその人数とはな」
空中を駆ける彼が――、皆の前に降り立った。
「確かに。だけど、オレは最高に恰好悪いと思うぜ」
壁を自在に駆け抜ける彼も――、皆の前に降り立った。
彼らは、其々、彼らを象徴する、と言える色を身に纏っていた。
白銀と漆黒、そして、其々の手に持つ剣には《リズベット武具店》のエンブレムが象られている。アスナとレイナ、2人の無二の親友のリズが、作った会心の二振りだ。
異様なオーラを身に纏った2人組の姿に気圧されたのだろうか、全員が一斉に足を止めていた。
それを確認した2人は
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