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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第243話 譲れない想い
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0を超えるであろう戦力だ。
幾ら皆の強さが一線を凌駕していたとしても、10倍近い戦力差を、それも前後からの挟撃。魔法や弓矢と言った遠距離攻撃も織り交ぜられたら、どうやってもHPが削られてしまうだろう。
「……くよくよ、迷っちゃったから……」
レイナはぐっ……、と拳に力を入れた。
もう少し、あと少しだけ速く、決断をしていたのなら、前の連中を蹴散らして、ボス部屋に入れたかもしれない。……ボス部屋に入ってしまえば、プレイヤー同士争ってる暇なんかない。圧倒的な敵が眼前にいるから……、また 違った道を切り開けたかもしれないのだ。
アスナも、レイナと同じ気持ちだ。ぎりっ、と歯を食いしばっていた。
そんな2人の手を 優しく握るのは、ユウキとラン。
「ごめんなさい。私達の無鉄砲さに、お二人を巻き込んでしまって」
「ボクも、やっぱり短気だったよ。うーん、短気は悪い事だーって、いつも姉ちゃんに言われてたのにねー」
2人は苦笑いをしながらそう言っていた。でも、その表情は何処か晴れやかだ。
「でも、私は後悔はしてませんよ。……それに とても、良い笑顔です。レイナさん。アスナさん。……今のお二人は……太陽、みたいです。光り輝いているみたいです」
ランの微笑み。どちらかと言えば、太陽の形容はランこそに相応しい、と2人は思っていた。
「うん、ボクも思ったっ! 出会ってから一番だねっ! きっと!」
ユウキも思うところがあった様だ。ランにも皆にも負けない程、笑顔を輝かせていた。
「……うん。そう、だね。ごめんね! でも、次は……次は絶対にいけるからっ!」
「うん。たとえ、この層が無理だったとしても、次こそは皆で倒そう。絶対に!」
皆の意思は1つになった。
この場にいる皆が想いを1つにし、其々の武器を抜いている。
だが、それは敵側も同じだった様だ。全員が状況を判っている様で、後方にいる敵全員が剣を抜いている。
「でも――、確かに無理かもしれないけど、私は諦めないから。最後の最後まで、全力で……。皆と、皆と頑張るから……っ!」
レイナは、大きく息を吸い込んだ。
美しい歌声が奏でるのは、皆を鼓舞する戦士を慈しむ歌。
《
戦いの歌
(
バトル・カンタービレ
)
》
敵味方を問わずに魅了する、と言われている歌(リズ&シリカ談)であっても、攻撃を受けた血気盛んな敵を魅惑する事は出来ないだろう。とアスナは何処か軽く笑った。
そして、細剣の前にワンドを手に持って、攻撃魔法を唱え始めた。
――レイが頑張るんだったら、私も頑張らない訳にはいかないよね。
アスナは、レイナの姿を目に焼き付ける。
色んな困難がレイナにはあった。それでも、全部 乗り越えて、……今も乗
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