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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第243話 譲れない想い
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先程の2人の言葉。
『ぶつからないと伝わらない事もある』
『全力で立ち向かえば、悔いは無い』
この言葉は、きっとその場だけのセリフではない。
あの辻デュエルの時から、2人はそうやって剣をたくさんの人達と交えて……、そして 心を通わせてきた。触れ合わせてきた。彼女達の容姿も勿論あるかもしれないけれど、きっとそれは二の次だ。2人の強さ、真剣さ、真っすぐさを目の当たりにしたからこそ、2人の周囲には、沢山の輪が生まれたんだと思う。
――そう、だよね。うん。その通り。
心から伝わった。
対人戦のしがらみ、そして その事からの報復。それらを気にして引き下がってばかりいるのなら、そもそもVRMMOをプレイする意味なんかない。腰にある剣は、装飾品でも、重石でもない。決して。
さっきまで、重かった身体が嘘の様に軽くなった。
軽い足取りで、アスナとレイナは、ユウキとランの隣に立った。
「ふぅ……、駄目だなぁ。私。リュウキ君なら、きっとユウキさんやランさんの隣にすぐにたった、って思うよー。あはは。いや 寧ろ2人よりも早くに攻撃してたかもしれない、かな?」
レイナは、少々苦笑いをしつつ、腰の剣に手を添えた。
今はこの場にはいないレイナの最愛の人であれば、リスクだの、しがらみだの、報復だの……、全部笑って乗り越えようとするだろう。自分の心に従って――行動をする筈だ。
そんな、彼の隣にずっといたのだから。自分も負けてなんかいられない。
「ふふ。きっとそうだね。私も同じ。……キリト君も、渋い顔をしていても、心ではワクワクさせてる、って思うかな。リュウキくんと一緒に、ね」
2人の姿を思い浮かべる。
そして、あの時……、あのSAOの世界で言っていたリュウキの言葉が、頭の中で再生された。
――オレ達なら、何でもできる。
そうだ。なんだって出来る。不可能なんて何もないんだ。
2人の笑みを見たほかのメンバー達も同じく笑顔になった。
圧倒的不利な状況だというのに、笑っている。……たった、9人。その笑みが 人数で圧倒的に勝っている敵勢が揃って1歩下がっていた。
戦場で笑える者は、強い。臆する事無く、最後まで戦える者だ。
それを、彼らは知っている様だった。
だが――、臆しかけたその士気も、払拭される事になった。何故なら、背後から殺到してくる無数の靴音が、回廊に響いていたのだから。それを聞き、何より見たからこそ、ユウキとランに打倒されたノームの戦士がにやりと勝ち誇ったように笑みを浮かべていた。
「ぁ……!」
こんなタイミングで、敵の増援が来てしまった。恐らくは、上限ギリギリで挑もうとしていた筈だから、それが全て揃ったとすれば、6
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