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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十五話 捕虜交換式典です。
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てからでないと理解できないと思います。私たちは過年の戦いであの方と相対し、経験をしました。逆にそれがなかったならばこのような賞賛の言葉は口にできなかったと思います。」
これは半ば真実で半ば嘘だった。過ぎし日の戦いというのは第二次アルレスハイム星系での戦いである。彼女の記憶では、当時ヤンは時系列的にシドニー・シトレ大将麾下の参謀のはずだった。シトレ艦隊がロボス艦隊を救った事実を鑑みると、ヤン・ウェンリーが一枚かんでいないとは言いきれない。もっともヤンは当時少佐程度であろうから、全軍に影響を与えうる地位にはいないのだが、そんなことはこの際どうでもいいことだった。重要なのはミュラーらがヤンの恐ろしさを認識して軽侮の念を抱かないようにすることなのであるから。
「実際の力量はやはり戦って感じるほかないと思うわ。百聞は一見に如かず。自分の命をベットしてやってみたら?」
というティアナの言葉に苦笑しあったミュラーとルッツはそれ以上何も言わなかった。ティアナの歯に衣着せぬ発言には最初は驚きもし、不快感もあったのだが、彼女の言葉が真実の一片を言い当てていると悟った時から、徐々にそれを受け入れることができるようになってきたのである。
式典の後、フィオーナはアレクサンドル・ビュコック中将、ヤン・ウェンリー少将らとほんのしばらくの間だったが、会話をする機会を持つことができた。公式レセプションパーティーの中での会話だった。先ほどフィオーナと仲良く話し込んでいたケリー・フォードは今はボルテックらフェザーンの首脳陣と会話をしている。フィオーナら以外の帝国軍の他の随行者も同様だった。彼女たちも先ほどちょっと挨拶をしたが、すぐに戻らなくてはならない。
「二度目ですね。」
と、にっこりしたフィオーナの笑顔は純度100%のピュアな物であり、混じりけ一つなかった。いささかの影もない。
「迎賓館襲撃の際にはご迷惑をおかけしました。」
ヤンはすまなそうに言った。一応は警備責任者ではないにしてもラップと警備体制・警備対策を練ってきたのだから、一片の良心の痛みはあるというわけである。たとえ帝国軍の人間であったとしても。だが、やはりついこの間まで敵国同士であるだけに、どこか硬い空気が漂っていた。と、ティアナがフィオーナの隣に進み出て、
「いいえ、むしろスリリングだったわ。ちなみにあの時大量に美術品が壊れたようだけれど、あれって損害賠償請求はうちに来るのかしら?」
プッ!!と真っ先にファイフェル少佐が吹き出し、ラップがおかしそうに笑いだし、ヤンは困ったように頭を掻いた。ビュコック中将も心底おかしそうに笑っている。
「はっはっは。こいつは驚いたわい。娘さん、あんたはなかなかユーモアがおありのようじゃの。」
ティアナはそっと周りを見回しながら、片手を口に当ててそっと言った。
「
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