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提督はBarにいる。
明けちゃったけど正月の騒ぎ・その3
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ふらふらと飛んでいく御神籤を追いかける陸奥、扶桑、山城。そのまま飛んでいってしまうかに見えたが、ジャンプ一番、3人同時にキャッチした。

「え?きゃあっ!」

 しかし、ツイてない奴はとことんツイてないらしい。ブチッ、という音と共に陸奥の草履の鼻緒が切れて転けた。その衝撃で再び御神籤を手放してしまった。御神籤はそのまま綺麗な放物線を描きーーーー

「あっ……」

 という皆の声を聞きながら、賽銭箱にチップイン。見事なホールインワンである。

「やったわ、末吉よ姉様!」

「本当ね、今年一年良いことがありそうだわ」

 陸奥を尻目に御神籤を開けて喜ぶ扶桑と山城。一方陸奥は起き上がる気配がない。

「お……おい陸奥、大丈夫か?」

「大丈夫じゃないわよ……はぁ、お正月からツイてないわ。きっと中身は凶だったのね、御神籤」

 そう言って立ち上がりながら、晴れ着の埃を払い落とす陸奥。草履の鼻緒は応急修理も出来そうにない。

「仕方ねぇなぁ……ほら、おぶされよ」

「え、ちょっと、提督?」

 俺が屈んだのを見て、目を白黒させている陸奥。流石に白足袋履いてるとはいえ、裸足で帰らせる訳にはいかんたろ。

「何だ?それともお姫さまだっこの方がいいか?」

「それは流石に恥ずかしいから止めとくわ……じゃ、じゃあ乗るわよ?…えいっ」

 ためらいがちに俺に背負われる陸奥。

「大丈夫?重くない?」

「ナメるなよ?女の一人や二人、担いでへばるようなヤワな鍛え方してねぇぞ俺ぁ。……うーっし、帰るぞ」

 ゆっくりと歩き出した一行。俺に背負われた陸奥は、何だか幸せそうだったという。

『絶対陸奥の御神籤は大吉だったネー……』

『そうじゃなきゃあんなラッキー起きませんよ…』

『は、榛名もおんぶして貰いたいです』

『あれは許されません』

『ちょ、ちょっと加賀さん!?破魔矢は射る為の物じゃないから!投げようとしないで!』


 等々、陸奥が他の嫁艦達からヘイトを集めていたのも同時に報告しておこう。やれやれ、今年も一年騒がしい年になりそうだ。
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