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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#42
FAREWELL CAUSATIONU〜Double Detonation〜
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真の強者とは与えられた能力(チカラ)に安寧せず更なる研磨を怠らない者だと。
花蜜(かみつ)で鎧を滑らせて、
こっちが引き絞る前に脱出させたって言うの?
普通はどうやって渦を消すか、
どうすればそれを生み出す私に攻撃するか考えるものなのに……」
「通常の紅世の徒が考え得る発想ではない、
おそらく、相当な策士が背後にいるな」
 まだ視ぬ強敵、その凄艶なる姿はなくとも存在のみで
他者を此処まで成長させる影響力にシャナ、アラストールは戦慄を覚えた。
「分断、あわよくば二人同時に始末出来ればと想ったけど、甘かったみたい。
アノ女、やっぱり油断ならないわ。承太郎も気をつけろって言ってたのに――!」
 逃げ果せるかどうかも解らないアノ状況でまさかそんな事を考えていたとは、
失策ではなく失念に歯噛みする少女にアラストールは少なからず当惑した、が
他の者では決して成し得ない、彼女の成長と変化を静かに認める己も在った。
「最早、何も云うまい。おまえの望むままにせよ。
翻らぬ決意なら、我は沿うのみ」
「ごめんね、そしてありがとう、アラストール」
 生と死の別れ道、しかし少女は小さなわがままを許してもらえたように、
無垢な笑顔を向けた。
「さあ、コレでまた仕切り直し、まだまだ頑張りますかッ!」
 状況は一向に好転していない、寧ろ悪くなっているのに
少女は晴れやかな笑顔で死地に向き直った。
 今度こそ血染めの獅子が、その愛妹と同時に掛かってくる、
にも関わらずシャナの心には絶望を吹き飛ばす爽やかな風が駆け抜けた。
 ソレは何れによって存在するものか? ただ互いの身に刻まれた疵痕、
その左腕が、何かを暗示しているかのようだった。


←TOBE CONTINUED…


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