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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百四十三話 今日は……
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いざとなれば切り捨てるつもりだったとは彼の性格では思えなかったに違いない。悩みはしただろうが精一杯努めようと思っただろう……。

今度は何の書類だ。女性下士官の産休届けと交代要員の報告か。何でこんな書類が俺のところに来るんだ。俺じゃないだろう、大体何処の女性下士官だ……、此処か、宇宙艦隊司令部の司令長官室か。そういえば、お腹の大きな女性がいたな、彼女か……。

責任者は俺だな……、御丁寧に機密保持誓約書まで付けられてる。後任者は誰だ、コルネリア・ブリューマー曹長? 聞いた事が無いけど大丈夫か、元の所属は兵站統括部第三局第一課……、職員名簿を調べてみるか。

なるほど、コルネリア・アダー伍長、いや曹長か。結婚して姓が変わったんだな。OK、問題ない。サインして既決箱……、ちょっと待て、彼女結婚してるんだよな。妊娠したらまた交代要員か……、独身者の方が安全かな。考えすぎか、結婚していなくても子供は出来る、サインして既決箱だ。

不運だったな、レンネンカンプ。最後まで不運だった。ラインハルトと出あう事で多くの人間の運命が変わった。良い方向に変わった人間も居れば、悪い方向に変わった人間も居る。

レンネンカンプは後者だ。せめてこの世界では満足のいく一生を送って欲しいものだ。今のままなら難しくは無い、道を誤るなよ、レンネンカンプ。今のまま、誠実で信頼できる生真面目な軍人で良いんだ……。

ケンプもルッツもファーレンハイトもシュタインメッツも皆死んでほしくない。俺に出来るのは皆が安心して戦える環境を整える事、一人でも多く帰って来られるように努力する事だけだ。簡単だな、口にするのは……。

次は何だ、俺に士官学校で話をしろって書いてある。却下だな、大体こういう話ってのは若い奴より年寄りの方が上手いんだ。人生の重みが有るから若い奴も喜んで聞く。俺じゃなくメルカッツに頼もう。備考欄に講話者はメルカッツ副司令長官を推薦と書いて既決箱だ。

同盟でクーデター未遂事件が起きた。トリューニヒトからフェザーンのレムシャイド伯に対して通知が有った。“一部の不心得者がクーデターを起こそうとしたが未然に防いだ、オリベイラ弁務官、アル・サレム中将はクーデターに関与した疑いが有るため拘束した……”。

レムシャイド伯からの連絡ではクーデターはかなり規模が大きい。ブロンズ中将、ルグランジュ中将、エベンス大佐、クリスチアン大佐、ベイ大佐、マーロン大佐、ハーベイ大佐、フォーク予備役准将……、この辺りは原作通りだ。そしてグリーンヒルが参加せず元宇宙艦隊司令長官ロボス退役大将が入っている。

実戦部隊はもっと凄い。ルグランジュだけじゃない、アル・サレム、ルフェーブルも関与している。三個艦隊と言えば現状の同盟では約半数がクーデターに関与したという事になる。そしてネグロポ
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