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相模英二幻想事件簿
File.2 「見えない古文書」
X 6.13.AM11:14
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試しと飲んだのです。すると、私の病はたちどころに治ったのです。その際、私の看病がてらに、自分のことを語ってくれたのです。それ以来、ずっと親しくさせて頂いておりますの。」
 そうだったのか…。しかし、櫪家には多種多様な能力を持つ者が居るとは聞いていたが、薬学に秀でている人が居るなんて聞いたことないなぁ…。ま、それも一つの能力と言えなくもないか。
 私は如月夫人との会話で、あることに気付いた。キヌさんが本当に助けたかったのは、この如月夫人だったのだ。きっとキヌさんは…自分と如月夫人とを重ねているのだろう。恐らく、如月夫人も政略結婚だっただろうからな。大して人柄も知らない人物へと嫁がされた心細さをキヌさんは案じ、それを少しでも和らげようとしたのだろう…。
 その後、暫くは夫人と話をしていたが、夫人は仕事があるために部屋を出ていった。夫人が部屋を出る前、今後何かあった時には刑部家へ連絡するように伝えた。櫪氏が助力してくれることも話てあるから、夫人も心強いようだ。
 だが…一体何が起こると言うんだ?櫪氏はそろそろ何か起こると言っていたが…。それに、この館で惨事があったとも言ってたな…。
「あ…そう言えば、刑部家は何で力を失ったんだ?」
 不意に疑問が浮かび、一人呟いた。夫人の話では、以前はかなりの力を持っていたようだが、それがどうしてその力を…?
 その答えは、後で解ることになる。そして、あの数え唄の謎も…。




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