30話「犬さん、モッフルを3万匹のゴブリンにぶつける
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広がって楽勝だぜ!
火攻めは良い戦術なんだぁー!って言ってた。
モッフルにもきっと出来る、頑張れ。
モッフルが信じるモッフルを信じるな、僕の信じるモッフルを信じろ。
ヘタレなモッフルを捨てて、モフモフで勇敢なモッフルになるんだ」
「いや無理無理!無理すぎる!難題すぎて死ぬから!」
モッフルは未だに自信がないようだ。
……うむ……尻尾は立派な癖に、意気地がない奴……。
でも、モッフルに頼まないとナポル少将の部隊が何をやらかすか分からないし……。
今は根性を鍛え直す時間もない。
うーん、どうすればいいのやら――僕の脳裏に名案が思い浮かんだ。
「分かった!モッフル!
作戦の難易度を下げてやるから、3時間ほど、そこで尻尾の手入れでもしながら待ってろ!」
モッフルは僕が何をやろうとしているのか、さっぱり理解していない顔だった。
〜〜〜〜
「敵の将軍ナポルを狙撃してきたぞ!
これで難易度が劇的に下がったはずだ!
あいつらは混乱しすぎて、もう指揮系統がグチャグチャだ!」
3時間後、僕はモッフルの元へと戻ってきた。
ナポル少将を殺した帰り道に、ゴブリンリーダーを4匹ほど狙撃したから、余計に混乱しているはずである。
……ブラッドイーターが居ないから、誰でも殺し放題。
なんて楽な戦場なのだろう。ナポル少将はテントの中にいれば狙撃されないと思っていたようだが、こっちには暇を持て余している邪神どもがたくさんいる。
当然、どこに潜んでいようが、逃れることなど出来はしないのだ。
「えぇぇぇぇぇ!?こんな短時間で戦争が終わった!?
ワァンの旦那すげぇぇぇぇぇぇ!」
「いや、終わってないぞ、モッフル。
後始末、頑張れ」
「な、なんか、俺でも出来る気がしてきた!」
……弱い者虐めができると分かった途端、これである。
指揮官としては素晴らしい素質を持っているのかもしれない。
モッフル個人はヘタレだが、きっと無理せず戦ってくれるだろう。
……出世できないタイプだなぁと思ってごめんなさい。こいつは臆病だが、仕事がちゃんと出来る臆病者だ。
「よし、その調子だぞ、モッフル
矢が足りなくなったら、戦略輸送部隊が運搬してくるから、死なない程度に適当に頑張れ。
敵軍の手薄な場所を教えるから、ちゃんと交通インフラも壊すんだぞ……と言いたいが、僕が居ないと岩を量産できないから、遠距離からの嫌がらせだけで良いぞ」
「おお!分かったぜ!ワァンの旦那!」
『たった10人で3万人を足止めさせるなんて……酷いっ……!』
『いや、もう、戦争に勝利しちゃっている件』
厄介な精鋭ゴブリンがたくさんいるが……モッフルの武運を祈ろう。
ここに兵力を残して置かないと、作業効率が著しく上昇して
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