39話 持て余る力 3.11&12
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の眼がきつくなる。
「人の限界の中で事を済ませる事をお勧めします。勿論束になって起す奇跡ぐらいならば大目に見ましょう。事象の地平を超えるようならば容赦はしません。世界は穏やかであるべきなのです」
シロッコは組んだ腕を指で軽く叩いていた。
「・・・貴方も含めて、アムロ・レイも違和感だと考えている。この世界のな」
メシアは感心した顔をシロッコに向けた。
「私を攫うだけのことがあります。世界の不純物を視るとは」
シロッコはメシアの言に頷く。
「そう。7年前からだ。違和感を感じた。その答えに辿り着くまで程々時間が掛かった。感覚と知恵だけが頼りだった。貴方が例える世界の不純物というものを利用して世界をより良い方向へ誘導していこうと・・・」
シロッコは一つ咳払いをして話続けた。
「あの当時の感覚はうっすらだったが、木星へ行く予定がここに残ることにした。それは乱世を感じたからに他ならなかった。私も野心がある。あの頃は若かった。が、ホワイトベースに乗っている時に徐々にその乱世が地球圏の危機と感じ始めた。背筋が凍る想いだったよ」
メシアは目を瞑り軽く頷く。
「やはり鋭い感性ですね」
シロッコはメシアの褒め言葉に失笑した。
「フッ、そこまで読み取る力が無ければ、既に地球圏など存在しなかっただろう。貴方も含めたオーパーツによって、地球圏が勝手に掻き回されて、塵と化していた」
「・・・」
メシアは黙っていた。シロッコは続けた。
「フロンタルにせよ、不純物の混ざり合いにより本来の純物が汚れてしまっている。それを掃除するのは私であり、この世界の住まう者たちだ」
メシアは不思議に思ったことをシロッコに尋ねた。
「私は貴方が天才だと思います。が、そこまでの答えを何故知っているのですか?」
「世界の黒幕と知り合いだからな」
「成程」
メシアはシロッコの答えに納得した。そしてメシアはシロッコに願い出た。
「さて、私の今の願いはここで事の成り行きを見守らせていただきたいだけです。いかがでしょうか?」
「断るといったら、この艦のクルー全て殺戮するのだろう」
シロッコの言葉に銃を構えていた取り巻きが動揺した。メシアは笑って答えた。
「ええ。私にとっては貴方などこの世界の障害にはならないと思っています。不純物の成果はフロンタルにありますから」
シロッコは片手を挙げて、周囲を制した。そして命令した。
「皆、下がれ。メシアを戦闘ブリッジへ案内する。彼女は軍籍でない。来賓として扱う。丁重にな」
取り巻き皆不服そうな顔をしながらもその場を散開していった。シロッコには逆らえない。
その結果にメシアは満足していた。
「フフッ、有難うございま
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