第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#41
FAREWELL CAUSATION〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE FINAL〜
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成らない状況に陥るのは時間の問題。
凄まじい猛攻を繰り返していた獅子の王が初めて停止した、
シャナに背を向けたまま刃の鬣がキリキリと震えている。
しかしどんな低位の遣い手だろうと攻め入る好機等と愚考出来る筈もなく、
睨まれる迄もなくその威圧感に拠って微動だに出来ない。
強引な回避行動の累積によって更に裂けた傷口、流れる血が腹部から大腿に伝う。
(大丈夫……大丈夫……アイツよりは迅くない……アイツよりは強くない……!)
真実のほどは確かではない、だが少女は恐怖に屈しそうになる己を必死に奮い立たせた。
助けて欲しいと縋ったら自分自身に負けたら、
もうアイツの傍には居られないから、ソレが何より一番怖いから。
幾つもの戦いを経て生まれた絆、空条 承太郎と空条 シャナは互いを頼らない、
決して相手を寄る辺にしない、ただ信じる、信じて戦い抜く。
それだけで力が湧くから、受けた痛みも、流した涙も、
みんなみんな、勇気に変わっていくから。
少女の裡に宿る何よりも純粋な想い、
それに向けて血染めの獅子が無情の牙を剥き出しにする。
『LULULUuuuu……GU、GU、GU……ッッ!!』
胸元で凄爪の両腕を交差し、装甲を呻かせながら高まっていく存在力。
構えはティリエルの流式に酷似しているが溢れる暴威はその比にならず。
この隙に急所へと大刀を突き立てる様を巡らせてみても、
鋼の鬣が容易にそれを阻止する。
ならばがむしゃらに距離を取り損傷を出来る限り抑えるべきなのだが
足下が冗談のように動かない、それどころか逆に招き寄せられるような
誘引力すら感じる。
コレは草食動物が捕食者の射程距離に囚われてしまった時と全く同じ現象、
本能、細胞、遺伝子の奥底に埋め込まれた生態階層の摂理。
ギラリと刻印の瞳が少女を一瞥した、ゾワリと背筋に氷柱を突き込まれた感覚と
自虐的な安堵が全身を駆け抜けた。
『LUUUUUUUUUUUUUUUUUUUGAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
――――――――ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!』
狂吼と同時に揮り解かれた両腕、戦慄する空間、
スベテの因果に相乗して不可視の刃が全方位に射出された。
縦横無尽、狂瀾怒涛の勢いで飛ばされた血刃が
周囲の高層ビルを材質、構造、強度一切を無視して
バラバラの真一文字に寸断する。
変則的殺傷力を持つ紅世の宝具 “吸 血 鬼”
その真の能力を解放した今は啖らい込んだ嘆きを上乗せして
斬撃を放つコトが可能となる。
『惨 血 ?』
近距離パワーを凌駕する破壊力とス
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