121章 『君の名は。』と、子どもの心や詩の心
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ルもやっている。
信也と詩織、岡と美菜、それぞれにカップルであり、この4人はみんなモリカワの社員だ。
詩織は22歳、早瀬田大学、文化構想学部、4年生。今年3月には大学も卒業で、
信也たちがいるモリカワ本社に就職が内定している。
岡昇も22歳、早瀬田大学、商学部、4年生。今年3月に大学も卒業で、
信也たちのモリカワ本社に就職が内定している。
過去には、信也の現在の彼女の大沢詩織にフラれたこともあった。
そして、信也には、詩織を紹介するという偉業(?)を成しとげていて、
そんな岡は、信也と詩織と、別に仲がいい。
美菜は24歳、早瀬田大学、商学部を卒業、2015年4月から、
信也たちのモリカワ本社に勤めている。
「おもしろい映画だったわ!
でも、瀧くんと三葉ちゃんの二人が何度も入れ替わったり、
元に戻ったり、目まぐるしいんだもの。
1回じゃよくわからなくって、もう1度見たいくらいよ」
美菜が岡にそう言って、微笑む。
「そうだね、また観よう、美菜ちゃん。DVDもそろそろ出るんじゃないかな」
天真爛漫な子どものような澄んだ瞳で微笑む岡。
「『君の名は。』は話の展開に、スピード感があったよ。
あれって、観客の集中力を高める効果を、ねらったんじゃないかな」
信也がそう言って、みんなの笑顔を眺めながら、赤ワインを飲む。
赤ワインでほろ酔いの上機嫌なのは、信也と岡だ。
詩織は、フレッシュオレンジの香るオレンジジュース、
美菜は、フレッシュレモンのコカコーラを飲んでいる。
「何度も涙腺が緩んでしまう映画よね!
年齢や世代を超えて、支持されているっていうものね!でも、なぜなのかしら?しんちゃん!」
そう言って、信也に、明るく微笑む詩織。
「新海監督は、よくいろいろと勉強している人だと思うよ。
やっぱり、天才には、努力とひらめきが必要なんだろうね。あっははは。
『君の名は。』のモチーフ(題材)の、夢の中で誰かと出会うとか、
夢の中で男女が入れ替わるとかの、こうした物語の設定っていうのはね、
いまから、1000年以上も前の・・・、鎌倉幕府が成立する前のころかなぁ、
平安時代にまでさかのぼる、日本文学の伝統的のモチーフや主題だったんですよ。
みなさんなら、知ってることかもしれないけど」
信也がそう言うと、みんなは「知らなかったですよ」「知りませんでした」とか言って笑う。
「あっははは。ちょっと、文学の講義みたいになるけれど。
『とりかえばや物語』なんてのは、そんな男女が入れ替わる有名な物語だよね。
あと、平安時代の女流歌人の小野小町は、
古今和歌集の中
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