明けちゃったけど正月の騒ぎ・その1
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正月くらいは休ませてあげようという心遣いからも来てるらしいな」
「成る程ね、家事をこなすのも中々の重労働だもの」
アイオワがそんな事を言いながらお屠蘇を煽る。最初は日本語もたどたどしかったが、今はあまり違和感がない。上達したもんだと感心する。
「でもでも、このダーテーマーキ?甘くて美味しいよ!」
さっきからリベッチオは伊達巻ばかり口に運んでいる。どうやら甘くてフワフワ食感がお気に召したらしい。
「昔は砂糖が貴重品だっからな。甘い物=ご馳走だったのさ」
それに、伊達巻には白身魚のすり身が加えられており、普通のだし巻きや卵焼きよりも腐りにくく拵えてある。お節料理が極端にしょっぱかったり甘かったりするのは、保存性の向上とご馳走感を出すためだったりもする。
「あ、そうだ。これ提督にあげるわ」
お節を大分食べ進めた頃、マックスがこちらに皿を差し伸べて来た。中身は数の子。何か気に食わない点でもあったのだろうか?
「どうした?マックス。お前確か魚の卵好物だったろ?」
そう、頻繁にはウチの店にやってこないのだが、マックスは生物……特に、イクラや白子、からすみ等といった魚卵系のツマミが好物らしくある時には必ずと言っていい程注文していた。
「いえ、大した意味は無いのだけれど」
「あぁ、そっか。提督にはお嫁さんが沢山いるもんね」
納得がいった、といった具合に声を上げたのはレーベ。要するにアレか?マックスは嫁さん達との子作りに励めと言いたいのか?
「えへへー、マックスは子供が大好きなんですって!」
「ちょ、ちょっとロー!?」
おっと、思わぬ所からのカミングアウト。成る程なぁ、マックスが子供好きとは意外な一面かも知れん。
「そうね、子供は宝と言うし」
「提督のお子さんでしたらきっと可愛い子が産まれますよ♪」
「そうだな、Admiralの子供なら叔母代わりになるのも吝かではない」
そう言って海外組の連中が皆こちらに数の子を差し出して来る。そしてその中で唯一のケッコン艦であるビスマルクが顔を真っ赤にして両頬を手で抑えている。
「あ、あの……頑張るのは良いけど…優しくしてね?」
「何を頬を赤らめとるんだビス子ぉ!新年早々からこんな話させんじゃねぇよ!」
やれやれ、ウチの連中は新年になっても相変わらずらしい。何がどうしてこうなった。
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