明けちゃったけど正月の騒ぎ・その1
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繁栄の縁起物でもあり、「巻物」を食べる事で学力向上を願う、とする研究者も。
・田作り(ごまめ)……田作りとは片口鰯(煮干の原料)の子供。それを炒って甘辛く煮た物。その昔、干した魚を肥料代わりに田畑に撒いた事から、五穀豊穣を願って食べられるようになった。
・伊達巻……江戸時代に長崎から伝わった「カステラ蒲鉾」が料理の原型。その形状が伊達者(洒落た服装の者達)の服の模様に似ている所から伊達巻と呼ばれるように。黄色い色は黄金を表し、巻物は貴重な文章や絵画を表す物でもあったのでお金に不自由しないように、との意味合いから。
・紅白なます……昔は大根、人参、生魚と酢で作られていた事から鱠(生魚と野菜の酢の物)という名前が当てられている。野菜のみの「精進なます」や「紅白なます」が生まれたのは室町時代辺りの事。紅白蒲鉾で説明した通り、その色がおめでたい事から。それに、冬場の野菜不足を補う為にも、人参と大根を使う紅白なますはうってつけだった。
・牛蒡料理……地中に細く長く根を張る牛蒡。その姿から一族の繁栄と息災の縁起物とされている。今回は食べやすいように牛肉で巻いた八幡巻きにしたが、すりこぎ等で叩いて煮付けたたたきごぼう等もメジャー。
・海老……その姿から「髭が生えて腰が曲がっても長生きし出来ますように」という長寿の願いを表した縁起物。その縁起を担ぐ為にお頭付きで調理される事が多いが、海外組の連中の食べやすさを考慮して海老マヨに。
・数の子……数の子とは鰊(にしん)の魚卵。二親(にしん)から沢山の子供が生まれるように、という子孫繁栄の願いが籠められている。
「……とまぁ、縁起のいい食べ物ばかりで構成されてる訳だな、お節ってのは」
「ふーん……それは解ったわ。けれど、何故保存性の高い料理にする必要性があるの?朝から調理したらいいじゃない」
黒豆を摘まんでお屠蘇を飲みつつ、ローマがそんな事を聞いてきた。確かに、海外組の連中からしてみれば、態々保存性の高いおかずにする必要性が感じられないだろう。しかし、明確な理由があるのだ。
「昔から日本の正月には、神様を玄関からお迎えして家族総出でおもてなしするって風習があるんだ。だから正月三が日はなるべく台所に立たない方がいいとされている」
正月に高い山から降りてくるとされている年神様。年徳神とも呼ばれ、祖先の霊が神となってやって来るとされていた。また、年神様は正月三が日は家に居着いて一年の幸福を置いていくとされている。しかし年神様は家族全員が揃わないと機嫌を損ねてしまい、三が日の途中でも帰ってしまう事があるらしい。だからこそお節は保存性の高い物にして、なるべく台所で作業せずに済むようにしているのだ。※諸説あります
「それに、いつも家事で忙しい主婦を
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