明けちゃったけど正月の騒ぎ・その1
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
1月1日 提督による海外艦の為のお節講座
毎年の事ながら、年末年始の休みの期間は騒々しい。日常も任務に仕事にと騒々しいのだが、騒々しいの種類が違う。俺にくっついてくる艦娘が大量に現れるのだ。傍から見れば女を侍らせまくっている助平親父に見えるのかも知れんが、俺が強制した事は無いと断言できる。向こうから寄ってくるのだ……いやはや、モテる男は辛いモンだ。そんな俺だが、昨年末から予約を入れられていたので店を開けている。
「提督、来たわよ」
「おぉ、待ってたぞ。明けましておめでとうさん」
俺は紋付き袴の新年を祝う正装。……今ヤクザの親分みたいだとか思った奴は、怒らないので後で工廠の裏に来るように。来客は一人ではなく、結構な人数がぞろぞろとやって来た。
俺とケッコンを果たしたビスマルクを先頭に、グラーフ、プリンツ、レーベ、マックス、呂500の6人。
「初めて着ましたけど……着物も美しいですね」
その後ろから来たのがイタリア、ローマ、リベッチオ、アクィラの4人。
「Admiral、Happy new year!」
最後に入ってきたのがアイオワと新顔のウォースパイト。総勢12人の海外組が勢揃いしている。皆晴れ着に着替えており、それがまた美人揃いだから映える。
「さぁさぁ、座った座った。こっちの準備は万端だからな」
そう言いながら俺は準備しておいた重箱を取り出して海外組の前に並べた。
「さぁ、これが日本の正月の伝統料理……お節だ」
そう言いながら俺は重箱の蓋を開けていく。中には俺の手製のお節が詰めてある。ビスマルクに頼まれたのは、『日本の文化を学びたいから、お節について教えて欲しい』という何とも海外組らしい依頼だった。
今回詰めたのは紅白なますに栗きんとん、紅白の蒲鉾に田作り、鰊の昆布巻き、牛蒡の八幡巻きに数の子、黒豆、伊達巻、海老の鬼がら焼きの代わりの海老マヨの10種類。初めて見る奴も初めてでは無い奴も、興味深そうに中身を眺めている。
「お節の謂れは色々あるが、基本は縁起物と保存性の高い物が選ばれている。まずは簡単にそれの説明からしていくか」
《お節の縁起物の謂れ》
・紅白蒲鉾……蒲鉾の半円は初日の出を表しており、新年の象徴として無くてはならない。また、紅はめでたさと慶びを、白は神聖さを表す。
・栗きんとん……黄金色に輝く金銀財宝に見える事から、商売繁盛や家の繁栄を願う。また、栗は昔から「勝ち栗」とも言い、武士の縁起物としても有名。
・黒豆……「まめ」という言葉は元来、丈夫・健康を表す言葉だった。まめに働く、という語呂合わせからも一年間健康で働けるように、との願いから。
・昆布巻き……「喜ぶ」の言葉にかけた縁起物の昆布。一家
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ