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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
62.連ナル鎖
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 ――時は、『ゴースト・ファミリア』と黒竜が激突した時間に遡る。

 ロイマンは黒竜を探っていたミリオンとフーからその報告を受けるや否や、仕事を全て部下に放り出して肉に包まれた腹をタップンタップン揺らしながら猛スピードでとあるファミリアに走り、そこで『荒鷹追眼(ホークアイ)』の異名を持つ冒険者を引っ張り出し、彼と同じ神に仕えるファミリアに台車で運ばれながら通りの近くの喫茶店で寛いでいるフレイヤ(変装しているので余計に見つけづらかった)を発見してマシンガントークでオーネストが危ないことを説明してすぐさま援軍を出すよう依頼をこじつけるという嵐のような荒業を披露した。披露ついでに疲労困憊になったが。

 その結果どうなったかと言うと、色々と凄まじい事になった。

 まず、フレイヤとロイマンの選抜で援軍出張者がオッタルに決定。
 その後、『ヘルメス・ファミリア』に赴いてアズ考案で開発を進めていた『無線通話機』なるマジックアイテムの試作品を貸してもらい、これをナビゲート役のミリオンとそれを聞くオッタルに装備。更にまっとうな方法で今から59階層に援軍を送っていては手遅れになる可能性が高いことから『瞬間転移(テレ・シフト)』なる魔法を持つ別のファミリアの冒険者にアズ印の魔力回復ポーションをしこたま持たせて強引に魔法で40階層近くまで下降してもらい、更に更にその瞬間移動に無理やり同行させられた今度はロイマンの後輩でアングラ世界の人間(非公式ファミリア所属)に『行動加速(ヘイスト)』の魔法をオッタルにかけてもらい猛スピードで58階層まで降りさせるというゴリ押しもいい所なトンデモ移動法を決行させたのだ。

 ちなみにこの作戦の為に魔法連発で疲労困憊になること間違いなしの魔法使いを護衛して安全区域まで運ぶ為の腕利き冒険者も『フレイヤ・ファミリア』から提供されている。なお、オッタルが59階層に辿り着いた時点でオーネストとアズは黒竜第三形態との戦闘に突入していることを考えると、オッタル達がどれだけの無茶をさせられたか分かる。控えめに見ても1層から59層まで早くて1か月かかる所を2時間程度で降りるとか人間ではなく巨大モグラか何かのやることである。
 ちなみにロイマンがこの作戦を思いついたのは、主に『ダンジョンを掘って上下移動する』というコロンブスの卵を全力で踏み潰したアズのアイデアが根底にあったりする。諸悪の根源はアズだったが、それをコネ・パイプ・軽い恫喝をフル活用して実行段階に移して見せたロイマンも結構悪魔であった。

 あとは58層で発見した『ロキ・ファミリア』の面々の中で唯一疑似的な飛行が可能なアイズを同行者に加え、更に下で出会ったヴェルトールの進言でドナとウォノを加え、黒竜の腹をオーネストがレールガンで貫いた所で4名はやっと59階層の空中に飛び出し
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