インターバル
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はどんな状況でも自分のペースを崩さなかったマキナの影響を強く受けたからこそ、彼女が前向きに生きようとしているのだと感じた。それは同じクローンとしても、眩しく見える心の輝きであった。
「……ねぇ、気分転換も兼ねて少し歩かない? 皆の様子とか見ておきたいし」
「そうだね、身体はもう何ともないから私も一緒に行くよ」
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管理局フェンサリル支部、会議室。
『―――今回のサヘラントロプスの件で、管理局では我々の世界を守れないことが立証された。管理局法では管理世界はその世界の治安を管理局が守る代わりに、その世界の軍隊を解体するなどのことが決まっているそうだが、それは元々管理外だった世界の者達が、管理局なら治安が守れると理解した上での話だったな』
『しかしお前達はフェンサリルを管理世界にするなどと抜かしておきながら、侵略行為ばかりで国土を守ろうとしなかった。この時点でお前達の大義名分は完全に消滅しているのに、サヘラントロプスの核発射を阻止しようとした者達の妨害まで行うとは、もはやお前達管理世界の人間がフェンサリルの空気を吸っていることすら腹立たしい』
『もはや停戦などと抜かしている場合ではない! 我々の味わった屈辱を貴様らも受けるべきだ! 賠償金の増額だけでなく、フェンサリルで侵略行為を行った全管理局員に対し、死罪を含む厳罰を要求する! 言っておくが、これは断じて横暴な意見ではない! 正当な権利だ!!』
『ミーミル皇国に栄光あれ! 悪しき管理世界に災いあれ!! 魔導文化なぞ滅ぼすべきだ!!!』
『ウルズ共和国も今回の件で管理局が裏切ったことに対して、国民達の怒りが爆発している。今は殉職したアウターヘブン社の協力者への黙祷をしているが、いつまでも暴動を留めていられるものではないぞ』
「我がミーミルの大臣達、そしてウルズの議長及び議員達、少し落ち着いてくれ。しかし彼らの怒りも尤もだ。戦争の再開までは流石に抑えるが、相応の返答が無ければ彼らも納得すまい。その点についてはどうお考えだ、執務官殿?」
「上層部の腐敗のせいで、結果的に停戦協定を裏切ってしまったことは謝罪する。しかし戦争の再開や厳罰だけは待ってほしい。フェンサリルに訪れた局員の多くは、偽装された情報と命令によって踊らされてしまったんだ。故に罰を与えるべきなのは、その命令を行った上層部の者達であって……」
会談で槍玉にあげられているクロノは必死に頭を巡らせて、フェンサリルの議員相手に局員達の弁護を続ける。議員達はウルズにいるのでテレビ通信でこの会談に参加しているが、唯一この場にいるロックは武装した護衛をつけて席についている。時々彼が白熱する会談を鎮めているおかげで、管理局や管理世界への戦争再開を望む声が
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