インターバル
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の?」
「私達……というよりもアウターヘブン社には特に何も無いよ。ずっとフェンサリル側で行動してきた訳だし、私の場合は義手のおかげでもあるけど、リンカーコアの封印もデバイスの没収もされていない。つまりこの世界で魔法が使えるのはアウターヘブン社に所属している者だけなんだ」
「魔法の力を管理局は使えないのにPMCだけが使えるのって……色んな意味で立場が逆だなぁ」
「地球で起きてる正規軍とPMCの逆転現象とは少し違うけど、なかなか興味深い状況だと思うよ。魔法が無くなったら管理局ないし魔導師の戦力は一気に瓦解するってことが、まさに今証明されてるわけだし」
そう言っておっぴろげに苦笑するなのはの姿を見て、フェイトはどこか違和感を抱き、素直に尋ねる。
「あのさ……なんか他人事のように言ってる気がするから、単刀直入に訊くよ。オリジナルのなのはが救出された以上、ここにいるなのははどうするつもりなの?」
「どうって……あぁ。要するにオリジナルがいるとわかっていて、管理局に戻るかどうかって話でしょ? 正直に答えると、私は戻らないことに決めたよ」
「戻らない? どうして……?」
「そんなの、オリジナルの存在価値を奪ってまで戻るつもりは無いからだよ。私は“高町なのは”の記憶を持ってるから、オリジナルが自分の存在価値の喪失にとてつもない恐怖を抱いてることがわかる。記憶が外付けだったおかげでトラウマまでは継承されていないけど……一応あっちも“私”だからこそ嫌なことはしたくないんだ」
「オリジナルの存在価値を守るために……自ら身を引くというの? なのははそれで、いいの?」
「いいも何も、正直に言って今回の件で戻る気が失せたんだよね。例え勲章をくれると言われても断るぐらいに。だって、もし戻ったらクローンの私なんて、何されるかわかったもんじゃないから」
「あぁ〜……」
管理局だろうとクローンに偏見を持つ者から心無い言葉を投げられたことのあるフェイトは、なのはが想定している事態に大まかな想像がつき、深く同意した。
オリジナル・なのはが使い物にならなかった場合、管理局はクローン・なのはをオリジナルの代用品として使おうとする可能性がある。しかしクローン・なのはは既にオリジナルとは異なる精神を宿している。つまりクローンだからと言ってオリジナルの真似はできないのだ。結局のところ、クローンが真に受け入れられるには、まだ時間がかかるということであった。
「それにマキナちゃんやジャンゴさんと一緒に生活して、色んな旅をしてきた二人の話を聞いてるうちに、私も自由に生きてみたい気持ちが強くなったんだ。これまでの過程でクローンの在り方とか色々考える機会も多かったし、この際オリジナルと違う道を進むのに丁度いい機会かと思って」
「自由
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