インターバル
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、それだけで心臓を握り潰されるような激痛が走ってしまう。どう考えても魔導師としてやっていける身体じゃないわ」
「なるほど……そういえばサヘラントロプスがフェイトちゃんを撃墜した攻撃をした際に、オリジナルが叫んでた。あれはあまりの激痛で出た本能的な悲鳴だったんだ……」
「そしてリトルクイーンが魔法を使えたのは、暗黒物質がリンカーコアを侵食して機能を再構成していたから。だけどその補填をしてたのも浄化されたことで、リンカーコアは穴だらけのままに……つまりは虫食いリンゴ状態ってことよ」
「虫食いリンゴって、想像してみたらゾッとする酷さだよ。それで……治せるの?」
「ここまで酷いと、もう管理局の医術や私の知る治癒魔法では絶対治せないわ。別のリンカーコアを移植するという手段もあるにはあるけど、身体が拒絶反応を起こす可能性もあるから、医者としてはあまりおすすめできない。だけど……たった一つだけ、このリンカーコアを治せる方法がある。皆も知っている、その方法は……」
―――月詠幻歌。
満を持してシャマルが言ったそれは、2年前のファーヴニル事変でシャロンが月下美人に昇華し、発揮した歌の力。以前、カートリッジの連続使用でリンカーコアに傷がついたフェイトも、ラタトスクにリンカーコアを握りつぶされたクロノも、オメガ・SLBを撃って力尽きたオリジナル・なのはも、その歌でリンカーコアが修復されていた。クローン・なのはも隣で静かに話を聞いていたフェイト達も、それは思いついていた。だが……。
「あのさぁ、シャマルさん。正直に言うけど、それは望み薄なんじゃないかな? だって家族同然の友達を殺した仇を治療するために歌ってもらうというのは流石に……ねぇ?」
「私だってそう思うけど……移植無しだとそれ以外に治す方法は無いわ。それに、こっちは元からだけど、細胞も遺伝子も今まで見た事がないぐらい傷ついてる。あれでは間違いなく長くは生きられない。保ってせいぜい2年、太陽の果実やゼータソルを定期的に摂取すれば何とか3年まで伸ばせるかしら……」
「2年か3年……ずいぶん寿命が削られてるんだね、オリジナルは。まさかサバタさんよりも寿命が短くなってるなんて……」
「しかも問題はまだあるの。あの“赤黒い左腕”……形こそなのはちゃんの左腕そのものだけど、その正体は闇の力を宿すヴァンパイアの腕よ。今はもう暗黒物質のエネルギー体ではない実体だから触っても平気だけど、吸血変異によって生まれたものだから内側に暗黒物質がある。というより、なのはちゃんの体に残ってた暗黒物質が全て収縮してそこに宿ってるの」
「つまり左腕は太陽の光に触れれば浄化されて黒煙が出るし、突然暴走して悪影響を及ぼす可能性が無くもないから潜在的な危険も
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