インターバル
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殺人事件を調べたいと言ったら一人では駄目だと指摘されたりしたのも、規律に厳しくも子供の自分を大事に扱っているが故の言葉だったことを、今になって全て理解した。
「まぁ、昔話は大体こんな所かな。子供が死んだら、親は悲しむ。どこにでもある、ごく当たり前の話さ……」
「今回、犠牲になった少女とは少しだけしか会ってないが、娘と同じくらいの年齢で治癒術師という共通点もあって、見てると在りし日の娘の姿が目に浮かんでな……。局員ではなくとも、彼女なら俺より先に娘と同じ景色を見れるんじゃないかと思っていた。だから彼女の訃報を聞いて、俺も非常に残念に思っている」
「そうだな……彼女はまだ未成年だった。若者が大人より先に死んでいく世の中なんて、間違ってるとしか思えない。この仕組みを早めにどうにかしなくては、管理世界は少子高齢化社会まっしぐらだな」
一瞬、管理世界が全員ヨボヨボの爺さん婆さんだらけの光景を想像したなのはとフェイトは、介護するだけで一日が終わりそうだと思った。それはともかく、マキナの死を彼らも悼んでいることに、二人は感謝した。
話も終わったことで二人は立ち去ろうとするが、部屋を出る間際にアーネストとカイの方に一度振り返る。
「アーネスト隊長、カイ副隊長。クローンの私が言うのも変かもしれませんが、オリジナルの代わりに言わせてください。……助けてくれてありがとう。“高町なのは”がそうお礼を言っていたと……今度帰った時にでも二人に伝えてくれれば幸いです」
「私には父親というものがわかりません、親は母さんだけでしたから。でも……隊長達の気持ちは、とても暖かく感じられました。その……色々ありがとうございました」
そう言ってお辞儀した二人は、部屋を出て行った。今の言葉を聞いたアーネストとカイは軽く嘆息した次の瞬間、微笑んだ。
「まったく……最近の子供ときたら、成長が早くて大人の立つ瀬が無いったらありゃしない」
「そうだな……そしてそういう子供をだまして利用しようとする連中こそ、俺達大人が戦わなければならない相手だ」
「息子達の仇との決戦には残念ながら参加できそうにないが、後始末は俺達にもやれるはずだ」
「彼女達が安心して翼を休められるように、腐った土台を洗いなおしてやろう。それが娘達への手向けにもなる」
若い頃を思い出して拳同士を合わせるアーネストとカイ。それを見ていた部下二人は、「自分達もお手伝いします!」と決意を新たに意気込むのだった。
「ところで……さっき提出された市政調査レポートなんだが、ざっと読んでみたらコレ……ただの食レポだぞ? 『ブーストリミットはほっぺたが落ちるぐらい絶品だった、フェンサリルに来たのなら絶対味わうべき』なんてことしか書かれていない……」
「彼女は執務官ではなく
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