インターバル
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だからこそ子供を縛り付けてしまいたくなる。俺もカイも、息子達の気持ちより自分の気持ちを優先してしまったんだ。だから盛大にケンカしてそのまま別れて……訓練学校を卒業した二人は推薦を受けて管理局の本局に所属した。……君達の正式入局と同じ時期にね」
つまりフェイトやはやて達の同期に、アーネストとカイの子供達がいる。それを知ったフェイトは、もしかしたらどこかで会った事があるかもと思い、記憶を洗ってみた。そして……次の言葉を聞くと同時に全てを察した。
「二人が配属された先はL級次元航行艦アースラ。そう、クロノ・ハラオウン提督が有する次元航行艦だ。あのハラオウンが預かる部隊なら、かのエターナルエースがいる場所なら、本局でもまだ大丈夫な方だと……そう信じて見守ることにした。そして4ヶ月前……二人は死んだ」
「ッ!!」
「まさか……!」
「ヘリのパイロットだった俺の息子も、治癒術師として同伴していたカイの娘も、たった一発のミサイルで死んでしまった。俺もカイも、それを聞いた時は目の前が真っ白になったよ。管理局の仕事は命懸けだ、いつ何時でも殉職してしまう可能性がある。それはわかっていたつもりなんだが……親より先に子供が死ぬなんて、どうしても信じたくなかったからね。しかも喧嘩別れして……そのまま和解できずに逝ってしまうなんてなぁ……」
話している内にその時の哀しみが蘇ったアーネストは目元に手を当て、声を震わせる。隣ではカイも渋面を作って表情を隠そうとしているが、その辛さは身を割くほどに伝わっていた。子供を失った親の辛さは、かつてのプレシアの変貌ぶりを思えば十分に察せるから。
4ヶ月前のニブルヘイムの襲撃……オリジナル・なのはが撃墜し、この事態の引き金を引いた事件の禍根は、こんな所にも根強く残っていたのだ。
「俺達が本局に異動したのはその後だ。二人が目指した景色を知るため、俺達親子のような悲劇を防ぐためと……まぁ理由は他にも色々ある。子供の夢を親が叶えた所で意味なんて無いにも等しいが、そうでもしなければ娘達の死に納得がいかなかったんだ」
「優秀な魔導師ならば、管理局は子供だろうと前線へ送る。その結果、俺達みたいな“残された親”が生まれる……魔法至上主義の大きな欠点の一つさ」
「俺達はフェイト特務捜査官達のように夢を目指す若者を止めるつもりはない。そんな資格はとうの昔に失っている。だがな……俺達のことを知って、次の世代を担う若者たちが自分の命の価値に気づいてくれたのなら、無茶の一つでも減らしてくれるのなら、ここにいる意味はあったと言える」
そう言って珍しく優し気にカイは微笑む。フェイトは彼らとの縁が実はかなり前から存在していて、自分が118部隊に配属されたのはその縁が関係していたのだろうと思った。そして同時に、以前連続
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