インターバル
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「えっと……アーネスト隊長。こんな緊急時に何ですが、課題の市政調査レポートを提出します」
「受け取った、後で見ておく」
「それで、その……さっき話そうとした内容は一体……?」
「わかってるさ。それじゃあ……まず、俺とカイは訓練学校からの同期でね。いわゆる腐れ縁って奴で、互いに気心の知れた間柄なんだ」
「アーネストが突っ走り、俺がフォローする。昔からそんな事をしている内に、いつしか周りや教師、仕事場の上司連中も部隊編成などの際は俺達を一緒に扱うようになっていた」
「だからプライベートでも長く付き合ってきたわけで、俺とカイは一緒に馬鹿やったり合コン行ったりとまぁ、公私ともに良い相棒だったのさ。そんで、大人になった俺達もそれぞれ家庭を持った。そして俺の所は息子を一人、カイの所は娘を一人授かったんだ」
「家族ぐるみで親しくしていたから、妻も娘達も自然と親密な関係になっていった。仕事も地元の管理局支部に異動してやらせてもらってたから、家族の時間はしっかり作れていた」
地味に既婚者であった二人に、話を聞いていたフェイト達はかなり驚いていた。だが質問は後にとのことで、アーネスト達は話を続ける。
「それで地元や人を守る俺達の仕事に憧れて、息子達も管理局員を目指したんだ。二人とも君達に負けないぐらいの素質があったからね。俺もカイも休日の時は、子供達の練習相手によく引っ張り出されたものだよ」
「ミッドの訓練学校に入ってからもグングン成績を伸ばし、優秀な魔導師として管理局からの覚えもめでたかった。俺達も子供の成長は嬉しかったし、夢に向かって努力する姿を見ていて、俺達大人も負けない様に頑張らなくてはと力をもらった。当然、苦労もした、妨害もあった、挫折もあった。だけど二人はお互いを支え合うことで、それに屈せず立ち向かっては乗り越えていった」
「ある日、学校が長期休暇で実家に帰省した時を見計らって、俺とカイは進路相談ということで二人に所属したい部署の話を持ち出した。当時、二人には成績優秀者への待遇で学校が本局へ推薦する話が来ていたんだが、俺達は本局にだけは行かないように言った。地上本部や管理世界支部のと比べたら、本局の任務ははるかに死亡率が高くて、親としては子供にそんな危険な仕事をして欲しくなかったんだ」
「だが二人はそれを拒否した。どんな危険があろうと自分達で救える命があるなら助けたい、そう宣言した。若者らしい希望に満ちた言葉だが、俺達はできれば安全な人生を娘達に送ってもらいたかった。危険を冒して前に進むより、安心できる生活を……いや、正直に言おう。俺達の方が安心したかったんだ……子供が安全な人生を送っていれば、危険な任務で命を落とすことは無いから安心できると……」
「大人として子供を導くのは当然のことだが、大人
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