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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part4/学院の危機
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貴族に対して畏怖と不満を募らせる。そこに、サイト君たちの言っていた異星人やら怪獣やらが現れ、漬け込んで混乱を巻き起こす。私には辛い光景だ」
?苦しげに語るコルベールは、再びシュウの顔を見やる。苦しそうな目だった。この世界の人間の醜さを何度も見続けてきたのだろう。
「クロサキ君。君たちの世界で怪獣や侵略者を相手に、皆が力を合わせ平和を掴んだのと同じように、本当の平和のために貴族や平民も関係なく手を取り合える未来をこの世界で作り上げたいと思っているのだ。魔法は、そのために必要な可能性だと確信している。誰でも魔法でしかできなかったことを、誰でも使える技術を生むことで…」
「先生…」
?彼の抱く夢は、かつての自分と同じだった。プロメテの子としての英知で人々の未来のための機械を作ろうしていた頃の自分と今のコルベールは良く似ていた。
「君が何のために、無理をしてでも自分のなすべきことをなそうとしているのかはわからない。だが、私が求める未来を君にも見てほしいのだ。そのためにも、もう無茶はしないと約束してくれ。そして、君やサイト君、そしてハルナ君が生きていた…『地球』という世界へ、私も連れて行ってほしい」
「……」

『人は夢が続く限り前に進むことができる。どんな困難にも何度だって挑戦できる。だから…終わったなんて言っちゃ駄目だ!』

「夢…」
?大切な少女を喪ったあの時から、同時に失っていたもの。そのことで自分の全てに絶望したシュウ。夢を力強く語るコルベールの姿が、次第に眩しく感じた。そんな姿が、アルビオンで最後に別れたときのアスカの言葉を思い出させた。
「うにゅ……」
?すると、リシュが気の抜けた声を洩らしながら目を覚ました。
「む、リシュ君。起きてしまったか」
?この騒ぎの物音や、コルベールと共に紙風船などが入った箱を探したときの物音できがついてしまったのだろう。シュウはベッドの毛布に身をくるめているリシュのもとに寄ると、彼女を軽く揺すって起こす。
「ふぁ…何?」
まだ寝ぼけている様子のリシュに、シュウは彼女の肩を掴み、神妙な顔つきで彼女に忠告した。
「いいかリシュ。今から俺たちは外の様子を見に行く。俺が戻るまで、決して出てくるな。物音も立てるなよ」
「シュウ兄、どこかに行っちゃうの…?」
意識がはっきりしてきたリシュは不安を露にした。
「今外は危ない状況にある。たぶん、悪い人達がここにやってきている。そいつらをどうにかしておかないといけない」
「やだ、怖いよ…リシュを置いていかないで…!」
?(………)
?自分の服をぎゅっと掴んできたリシュ。その姿と、彼女のそっくりな声が…最後に会ったときのティファニアとどこと無く被ってしまった。
?迷いを捨てて、選んだはずだった。自分のせいで死んでしまった数多くの人達のために夢を捨
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