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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十四話 捕虜交換式典に行ってきます!
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、作戦、戦略行動に関しての助言を聞きたければ、参謀長を呼べばよかったのではないか。
「どうして自分たちを連れてきたのか、という顔をしているわね。」
ウィトゲンシュティン中将に図星をさされて、アルフレートは顔を赤くした。
「明日はあなたたち非番だったわね。」
ウィトゲンシュティン中将の言葉に二人はうなずいた。
「なら、少し寄り道をしていってもいいかしら?」
うなずく二人の同意を確認したウィトゲンシュティン中将が歩き出した。ひんやりとした夜気はしんと張り詰めていて静かだった。少し歩いた3人が入っていったのは、官舎にほど近い一画にある静かなバーだった。
アルフレートはポート・ワインを、カロリーネ皇女殿下はオレンジエードを、そしてウィトゲンシュティン中将はホワイト・レディーを注文した。考えてみると、これはとても奇妙な光景であるとカロリーネ皇女殿下は思った。一介の副官補佐役と艦隊司令官とが同じテーブルについてグラスを傾けているのだから。
「私は帝国領内侵攻をまだあきらめてはいないわ。」
ウィトゲンシュティン中将は開口一番にそう言った。アムリッツアの愚行をきかせてやりたいと同時に転生者二人が思ったことは言うまでもない。
「だから、シャロン・イーリス中将の監視の話を個人的には歓迎していた。でも・・・・。」
ウィトゲンシュティン中将は遠い目をして、窓際の席の右手のガラスから夜の景色を眺めた。室内の明かりが反射していて外はあまり見えなかったのだが。
「それが本当に良い事なのかどうか、このごろは自信がなくなってきたの。」
かすかな咳の音が彼女の語尾を寒々しいものにした。
「帝国領内侵攻作戦など、夢のまた夢です。補給線の構築も困難。解放した民衆への食糧供給も困難。間違いなく長期にわたっての遠征に際して発生する士気の低下の阻止も困難。」
アルフレートが指折り数えてこれらの問題点を指摘した。
「わかっているわよ。冷静に考えれば誰だってそれくらいの事は想像がつくわ。問題はそれ等のマイナスを補って余りあるプラスの要因を突きつけられた時よ。そうなったとき、人は冷静ではいられないの。」
ウィトゲンシュティン中将は「ほっ」と静かにと息を吐いた。かすかな白い曇りがガラスに残った。彼女は少し自分の思いを出しすぎたと思ったのか、二人に向き直って急に話題を変えてきた。
「あなたたちと一緒にいるときが一番気持ちが安らぐわね。年が近いせいもあるからかしら。」
あなたたちを呼んだ理由としてはそういう事もあるのよ、とウィトゲンシュティン中将は少し笑った。
「最近ようやく、この第十三艦隊が私たちの家だと思えるようになってきたわ。さすがに一年も続けていると愛着がわくようになるのかしら。」
この時は単なる話の接ぎ穂なのだと二人は思ったが、ウィトゲンシュティン中将がいう「家」
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