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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十四話 捕虜交換式典に行ってきます!
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った。その背景には、入念な航路計画の策定、速やかな要地奪取の電撃作戦。敵を逆に引きずり込んでの先制攻撃、各星系の鎮撫の鮮やかさ、などが帝国側の勝因となり、逆に同盟側の敗因としては、民心動揺を抑えきれなかったこと、補給計画に必要な輸送艦が相次いで帝国側に破壊されて算定と実情が合わなかったこと、各星系の警備艦隊と正規艦隊との連携がうまくいかなかったこと、情報が錯綜していた事などがあげられる。こと、最終局面においては、雪だるま式に帝国軍の勢いは膨れ上がり、逆に同盟側は風船がしぼむように勢いが急激に衰えていったのだ。艦艇損害数においては序盤の敗北があっただけに過ぎないのだが、要するに「勢い」という要素を帝国軍は最大限に利用し、最良の効果を上げたのである。
結局のところ、自領内に引き込んでの殲滅作戦もまた、博打のようなものなのだった。

そのキャゼルヌにしても、シャロンが個人的に提出してきた補給計画のサンプル案には目を見張るものがあった。理路整然と、しかもあらゆる危機を想定して立案されており、その事態が発生したとしても二重三重に対処できるようになっていたからである。机上のプランと言ったが、それが単なる机上のプランではないことはキャゼルヌ自身がよく理解していた。
「工作員活動の方は、あえてそれを露見させることで帝国の怒りを買い、大軍を侵攻させる呼び水として考えているのではないだろうかと思うのだ。」
シトレが話を続ける。
「先年帝国は内乱を鎮圧し、軍の再編もスタートしている。だが、まだその傷はいえきっていないだろう。他方、わが方は先の戦いで損傷した艦艇の整備もほぼ終了し、新兵の訓練も順調だ。彼女の予測では帝国は条約期限終結までは攻めてこないとみているのかもしれんな。」
「あるいは攻めてきたとしてもその勢いは弱く、充分に対処できると踏んでいるのではないでしょうか。」
と、ウィトゲンシュティン中将。
「その際には通常の迎撃作戦を取るだろうな。それもあの移動要塞を先頭に立ててだ。艦隊戦ではここの所こっちに分が悪いからな。一度相手をブッ叩いてさらに怒らせて、大軍を率いて攻め込ませる。そんなところだろ。」
大雑把に言った割にはブラッドレー大将の言葉に反対する人間はいなかった。

その後、シトレ、ブラッドレーらは話をつづけ、どう彼女を監視するか、その方針について話し合ったのである。

ウィトゲンシュティン中将、カロリーネ皇女殿下、アルフレートの三人がマーチ・ラビットを出た時には、22時を回っていた。
「すまないわね、遅くまで付き合わせてしまって。」
と、ウィトゲンシュティン中将が二人に謝った。
「いいえ、副官補佐役として当然のことです。」
そう言いながらもアルフレートは不思議だった。どうして自分たちを連れてきたのか。副官ならばほかにいくらでもいるし
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