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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十四話 捕虜交換式典に行ってきます!
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下もお判りでしょう。」
「確かに彼女はノーマルじゃないな。それは認める。」
カロリーネ皇女殿下、アルフレートはまだシャロンがどういう人物かを見ているわけではないので、何とも言えずに黙って聞いていた。仮に二人がシャロンを実際に見て、その言動を聞いていたならば、あるいは過日に起こった一連の死亡事件の犯人ではないかと推察をめぐらすこともできたかもしれない。
「手遅れにならないうちに監視の目を怠らないようにし、いざとなればすぐに彼女を拘束してしまうべきだと考えております。」
「失礼ですが、閣下。明白な罪状がない限りは、軍の将官を拘束することはできないというのは自明の理です。彼女の事ですから、そうしたいわゆる『尻尾をつかませるような真似』はしないと思います。」
と、ヤン。
「それはわかっておる。だが、どうも私には彼女が得体の知れないところがあるだけではなく、いずれ取り返しのつかない所業をするような気がしてならんのだ。いや、根拠などは全くない。年寄りの妄想だと笑ってくれてもいい。」
シトレは分厚い手を振って苦笑交じりにそう言った。
「私としては、それが妄想で終わってくれればよいと、祈るばかりなのだよ。」
シドニー・シトレは根拠のない事象に基づいて、憶測をする人ではない。その人の口から、妄想という言葉が出てくること自体が異様であった。軍属にとって必要なことは組織における一員としての順応能力と、与えられた裁量権限内での適切かつ円滑な運営能力であることは言うまでもない。だが、それとは別に一種独特の勘が備わっていることも、戦場における生き残りの術の一つなのではないか。アルフレートはシトレの話を聞きながらそう思っていた。
ついでながらアルフレートもカロリーネ皇女殿下もこうしてシドニー・シトレ大将の顔を間近で見るのは初めてであった。士官学校に入校した時の来賓として、あるいは式典祝賀で顔を遠目に見たことくらいである。実際にこうしてお目にかかってみると、その風貌とオーラには並々ならぬものを感じてしまう。
「イーリス作戦そのものについても、今回のように工作員を送り込むことについても、帝国領侵攻作戦を取ることに比べればはるかにましだと思う。補給計画の責任者の一人としては、どうかな?」
シトレがキャゼルヌに水を向けた。
「おっしゃるとおり、敵領内に食い込むほどの長大な補給計画を立てるよりも、勝手知ったる自領内での補給計画の方がはるかに立案もしやすいのは確かです。ですが、それは机上のプランでもあります。帝国が電撃的に侵攻し、市民の動揺を招けば、補給計画にも影響が出ない、とは言い切れません。現にコルネリアス1世の親征の際にはだいぶ補給計画に支障が出たと記録には残っております。」
コルネリアス1世の大親征の際には、ほぼ首都星ハイネセンが陥落寸前にまで陥った危機的状況であ
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