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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
24話 日常回その1
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 6月の上旬、花の金曜日。世界各地から女性だらけのIS学園、ゲームからISへの変化と生活にもようやく慣れてきた鬼一は、机の上の授業道具を片付けながらこの後の予定を考える。

 ―――第2アリーナが解放されるのは今日から、か。今日はセシリアさんや清香さん、静寐さんたちとの練習か。

 謎の事件から少し経ち、ようやくIS学園にも落ち着きが取り戻され、IS学園の生徒達も各々の日常を取り戻し始めていた。事件直後は学園内に不安の声などが上がっていたが、たわいない雑談の声が戻ってきている。

 鬼一も例外ではなく、少しずつではあるが日常に帰ってきたという実感がある。

「鬼一、これからの練習はどうする?」

「僕たちは第2アリーナで練習します。せっかくの金曜日なんでアリーナも使う人が少ないですし、集中して練習できそうです」

 自分の席から離れて声をかけてくるのは鬼一と同じ男性操縦者である織斑 一夏。あの事件以来、一夏の雰囲気が少しだけ変わったように鬼一は感じていた。
 今まではどことなく弛緩した空気があった一夏だったが、今はISに関して一定の緊張感を常に持っている。闘志と言ってもいいだろう。それが少しではあるが雰囲気に表面化しつつあった。

 それが良いことなのか、悪いことなのか鬼一には判断できなかったが。

 鬼一から見ると変化は決して悪いものではないと考えている。しかし、今の一夏には余裕が無いようにも感じる。自分を追い詰めているようにも感じられた。

「あぁ、そういえば第2には今日から解放されるんだったな」

「一夏さんは?」

「俺? 俺は今日第1アリーナ。箒と鈴と一緒にトレーニングだな。最近、鈴が滅茶苦茶きっついトレーニングしてくれるから、身体がバキバキだぜ」

 その言葉に鬼一は一夏と鈴のトレーニング風景を思い出した。

 鈴のトレーニングは苛烈、の一言に尽きる内容。現役の代表候補生が受けているトレーニングなのだから、IS素人の一夏にはキツイものがあるだろう。が、一夏はそのトレーニングに泣き言1つ漏らさず受けている。

 ―――どういう心境の変化があったかは知らないけどどんな理由であれ、強くなりたい、という気持ちに間違いなんてない。理由がシンプルであればあるほど、その効果は強くなる。

 次、相手にした時またタフな試合になりそうだ。そう鬼一は考えて一夏から視線を切った。

「鬼一さん」

 穏やかな声色で自分の名前を呼ばれる。それだけで自分が落ち着かなくなる、というのは初めての経験。それも良いことなのか悪いことなのか鬼一には分からない。だけど、悪い気持ちではなかった。
「っと、すいませんセシリアさん。すぐ行きます。じゃあ、一夏さん良い休日を」

―――――――――

 第2アリー
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