第三十六話 永遠にその三
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「それだけの人が犠牲になったの」
「多いな」
「そうよね」
龍馬も優花もこちら側の考えだった。
「どう考えても」
「百万って数自体がな」
人口から見た割合だけでなく、というのだ。
「多いな」
「そうよね」
「よくそれだけの人が犠牲になったな」
「それがフランス革命で」
「実際は貴族の人達もか」
「それぞれだったのよ」
「こういうの持てない貴族もいたんだな」
龍馬はここでやっともう一度扇を見ることが出来た。
「そうなんだな」
「ええ、多分ね」
「昔はこうした扇も高かったんだろうな」
今は日本でも土産ものとして買えるがだ。
「スペインでも」
「ティーカップのセットもね」
「羽振りのいい貴族の人達の嗜好品か」
「そうだったの」
「成程な」
「オランダは世界中で貿易しててお金もあったけれど」
とはいえその歴史は色々あった、イギリスとの戦争に敗れたこともあればナポレオンに国土を占領されたことも十九世紀中頃の革命の余波が来たこともある。
「それでも羽振りのいい人達だけが」
「陶器を買えてスペインのものにしても」
「扇を持っていたんじゃないかしら」
「成程な」
「そう思うと」
こうも言った優花だった。
「こうした陶器も面白いわね」
「そうだな」
龍馬は優花の言葉に頷いた。
「扇にしても」
「それでその扇をね」
「買ってか」
「姉さんに届けてね」
「ああ、安心してくれ」
龍馬は優花にはっきりとした笑顔で答えた。
「絶対に優子さんに届けるからな」
「それじゃあね」
「鞄に入れておくさ」
旅行の時に持って来たそれにというのだ。
「無事にな」
「じゃあそれもお願いするわね」
「そういうことでな、それとな」
「それと?」
「お土産買った後どうする?」
龍馬が優花に今度問うたのはこのことについてだった。
「それで」
「そうね、本当に色々な場所があるけれど」
「面白そうな場所ないか?」
「龍馬が好きそうな場所だったから」
優花は彼の好みから考えて話した。
「恐竜についての展示のね」
「ああ、そういえば紹介で書いてあったな」
「そこに行く?」
「ああ、行こうな」
恐竜と聞いてだ、龍馬はこれまで以上に明るい顔になって優花に答えた。
「それじゃあな」
「じゃあお土産を買ったらね」
「そこに行こうな」
「そうしましょう」
こうしたことを話してだった、二人でそれぞれの家族へのお土産を買って。
そのうえで恐竜のコーナーに入った、龍馬はそこで紹介されている恐竜達を少年が飛行機を観る様な目で見つつこう言った。
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