第二章
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「だからだ」
「許されていますね」
「過ちを犯した女もいたが」
妻や愛人達の中にだ。
「不問にしているな」
「中には他の男の子を身篭られた愛人の方もいましたね」
流石に第一夫人、正妻にそれはなかったがだ。生真面目で身持ちのいい女であり彼の相談相手でもある。
「ですが」
「その子を産ませて男に渡して許していたな」
「はい、それで」
「三十人以上もいればだ」
それこそというのだ。
「過ちを犯す者もいる」
「そしてそうした方は」
「わしの子をまた産めばいい」
こう考えているというのだ。
「だからな」
「許されてきましたか」
「そうだ」
そうした女のもというのだ、イスラム社会は女の浮気に対しては男のそれよりも厳しいと言われているがである。
「そうしてきた、わしは女好きだが」
「それ以上にですね」
「子供が欲しいのだ」
まさにというのだ。
「だからこれからもだ」
「お子をもうけられていきますか」
「日々女達と床を共にしてな」
そのうえでというのだ。
「だからアーイシャに子供が出来た」
「このこともですね」
「嬉しいものだ、これでわしの子は九十八人になる」
満面の笑顔で話していく。
「そして目指すのはな」
「百人ですか」
「わしはやるぞ」
意気込みさえ見せる。
「百人の子の父親になるぞ」
「ううむ、左様ですか」
「してだ」
ここまで話してだ、そしてだった。
ムワッヒドはハムディに顔を向けてだ、彼に問うたのだった。
「御前はどうなのだ」
「私ですか」
「そうだ、この前結婚したな」
「はい、旦那様のご紹介で」
「子供はどうなのだ」
「それはまだ」
「いいか、子供は何人いてもいい」
彼にもこう言うのだった。
「だから御前もだ」
「妻との間に」
「早くもうけるのだ、何ならだ」
「妻を二人でもですね」
「四人、それ以上は愛人を持ってもいい」
自分の様にというのだ。
「少なくとも御前への給料は多い、奥方は複数持てる筈だ」
「確かにそうですが」
「励みそしてだ」
「子供をですね」
「早くもうけてそしてだ」
それからもというのだ。
「二人も三人もだ」
「子供は多い方がいい」
「そうだ、何といってもな」
「そういうものですか」
「わしみたいにだ」
それこそとだ、ムワッヒドはハムディに言った。
「百人は作れ」
「それは幾ら何でも」
「無理か」
「旦那様は特別です」
「まだまだ作るつもりだがな」
百人を目標としているがそこからさらにというのだ。
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