第六章
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の誇りがある」
その誇りにかけてというのだ。
「約束じゃ、嘘は言わぬ」
「これで帰るわ」
「そうする」
「必ずな」
「わかった、では縄を解いてやる」
和尚も彼等の約束を受けて彼等に応えた。
「では帰れ、小僧達も二度と穴には入らぬわ」
「ではな」
「これでさらばじゃ」
狐達も応えてだ、そして。
彼等は実際に縄を解かれるとそのまま山に帰っていった、少なくとも彼等は約束を守った。こうして善行と知行は難を逃れたが。
和尚はその二人にだ、和尚は強い声で言った。
「狐達も約束は守った、ならな」
「はい、我等もです」
「約束を守ってそのうえで」
「あの穴には入らぬ」
「二度と」
「そうせよ、ましてや御主達は仏門を学んでおる」
それだけにというのだ。
「約束、人の道は守らればならぬぞ」
「ですね、では」
「我等も」
「そうせよ、よいな」
こう二人に強く言った、そして実際にだった。
二人はもう二度と狐の穴には入らなかった、そして狐達も二人を二度と襲うことはなかった。山城今の京都府にある古い話だ。聞いて何とも面白い話であったのでここに書き残しておく。
狐の穴 完
2016・9・23
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