第二章
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「どうやら」
「見付けたか?」
「この穴じゃないのかな」
子供が少し屈めば充分入られる位の大きさの穴だった。
「大きいし」
「そうだね、大きいね」
善行も言う。
「この穴ならね」
「いてもおかしくないね」
「そうだね」
「それじゃあ中に入って」
「そしてね」
「調べよう」
「そうしよう」
小僧二人で話してだ、そしてだった。
二人で穴の中に入って先へと進んでいった、だが先に進んでそれこそすぐにだった。穴の奥の方から声がしてきた。
「誰か来たのか?」
「人間の匂いがするぞ」
「人間が入って来たのか?」
「人間なら許さないぞ」
「狸も許さないがな」
「待て、捕まえて思い知らせてやる」
「そこにいろ」
こう口々に言う、その声を聞いてだった。
前行も知行もだ、血相を変えて話をした。
「まずい、気付かれたみたいだよ」
「というか気付かれたよ」
「まさか狐が本当に化けるなんて」
「それでこの穴にいるなんて」
「話は本当だったんだ」
「狐が化けてこの穴にいるなんて」
「本当のことだったんだ」
このことに驚二人だった、そして。
二人はこちらに来る多くの足音を聞いてだ、今度こそだった。
慌てて来た道を引き返した、それはすぐに駆け足になったが後ろから声が幾つもしてきたのもその耳に聞いた。
「逃がすか!」
「そこになおれ!」
「人間が入って来たなら許さん!」
「袋叩きにしてから追い出す!」
「そう決めておるのだ!」
「殺しはせぬから安心せよ!」
「我等は鬼ではないからな!」
彼等はこう言う、だが。
殴られる方にとってはたまったものではない、それで二人はこおう言うのだった。
「殴られたらたまらないよ」
「とんでもないい」
「ここは逃げよう」
「お寺まで帰るんだ」
「そうだ、そうしよう」
「早く逃げて」
二人は屈みながら駆けた、そうして何とか狐達に見つかるその前にだった。穴から出ることに成功した。
しかし狐達も意地がある、二人が振り返ると。
それぞれの前足に棒だのを人間が持つ様にして持っている狐達が穴の入口から出て来てだ、二人を見て言った。
「御主等小僧か!」
「寺の小僧だな!」
「寺の小僧であることはわかったぞ!」
「必ず見付けだしてくれる!」
「見付け出したらお礼参りだ!」
「絶対に袋叩きにしてくれる!」
こう二人に言うのだった、振り返りながらも逃げる彼等に。
「諦めないぞ!」
「我等狐はしつこいぞ!」
「このことを忘れるな!」
「必ず見付け出す!」
「その時を待っておれ!」
こう口々に言う、逃げる二人に。二人は何とか寺まで逃げた。とりあえず難を逃れたと思ったがそれでもだった。
狐達の言葉が気になってだ、二人で寺
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