第六章
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「あと思った通りにいかなかったり」
「そうしたこともあるのね」
「どうもね」
実際にというのだ。
「これが」
「それはそうでしょ」
当然のこととだ、静香は伶音に返した。
「世の中何でも思い通りにはいかないものよ」
「そういうことね」
「実は違ったりとかミスとかね」
「あと偶然とか」
「そうしたこともあって」
それでというのだ。
「思った通りにいかないものよ」
「言われる通りね」
世の中でだ。
「そのことを実感してるわ、例えばね」
「例えば?」
「ムニエルに実は彼が好きな黒胡椒を用意しようとしていたら」
「お店になかったとか」
「いえ、お家に置いてるって思ってたら」
これがというのだ。
「忘れてて」
「ああ、お家になくて」
「咄嗟に普通の胡椒で代用したら」
黒胡椒ではなくだ。
「これが彼に滅茶苦茶美味しいって言ってもらったの」
「それはそれで」
「こうしたこともあったから」
「全部計画通りにはいかない」
「そういうものよ、実際にね」
世の中というものはだ。
「まあそのこともわかったうえで」
「そのうえで」
「これからも頑張ってね」
「ええ、そうしていくわ」
実際にとだ、伶音は静香に答えた。そうして建との恋愛を進めていって結婚まで至り幸せな家庭も築いていくが。
しかしだ、時々静香に言うのだった。
「本当にあれこれ先を考えてやっていっても」
「その通りにはならない」
「ええ、それでいい結果になったり悪い結果になったり」
「計画を立ててもね」
「そうなるわ」
「私はあまり先々考えないけれど」
能天気な傾向が強い静香はだ。
「私もそう思う時があるから」
「誰でもそうなのね」
「計画を立ててもね」
「計画通りにならない時もある」
「そしてその時にね」
その計画通りにならなかった時にだ。
「どうするか」
「そうなのよね」
「それが大事よ」
「そのことがわかったわ」
建との交際、そして結婚と今の家族生活を計画を立てて進めていってというのだ。
「よくね」
「そうなのね」
「ええ、計画通りにいかなくて立ち止まるよりも」
「そこで咄嗟に何をするか」
「即興で、それも大事よ」
「本当にね」
今日は職場で話していた、伶音はここで。
お茶を少し零してしまった、だがすぐにテーブルの上にあった雑巾で拭こうと思ったがなかったので自分のポケットからティッシュを出して拭いた。そのうえで静香に対して言ったのだった。
「こうした感じでアクシンデントに対処する」
「それも大事ね」
「計画通りにいかないこともあるから」
「その時に何をするか」
「それも出来てこそよ」
二人で話すのだった、伶音はこのこともわかったのだった。
計画的
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