第二章
[8]前話 [2]次話
「これは」
「難しいわね、ただ」
「ただ?」
「これはって思う相手いたらアタックするとか」
「自分で動けっていうの」
「そうしたらどう?」
静香もうどんを食べつつ伶音にアドバイスをした。
「自分からね」
「そうね、いい人を見付けたら」
「肉食系になって」
そうしてというのだ。
「アタックしてね」
「彼氏ゲットで」
「結婚までね」
「わかったわ、それじゃあね」
「まずは相手を見付けるのね」
「そこからやるわ」
伶音は静香に答えた、そして。
うどんと一緒に注文していたほうれん草のお浸しを食べてだ、静香にこう言った。
「お野菜もね」
「しっかり食べないと駄目よね」
「ええ、だからね」
「お浸しも注文したので」
「それで食べてるの」
今そうしている様にというのだ。
「美味しいわよ」
「そういえば私も家で旦那と一緒にお野菜のお料理をね」
「食べてるのね」
「お家の近所にあるスーパーで買ったお野菜買ってね」
「お肉もお魚もお野菜もバランスよくよ」
「果物もよね」
「食べないと駄目よ」
こう静香に話すのだった。
「何といってもね」
「流石栄養士ね」
「健康第一だから」
何といってもというのだ。
「医食同源ともいうし」
「中国の言葉ね」
「そう、身体にいいものをバランスよく食べる」
「それ婚活にも活かせるわよ」
「活かすつもりよ」
自分自身でもそう考えているというのだ、そうした話をしてだった。
伶音は実際に相手を探した、求めるものは得られるというかその相手はすぐに見付かった。
「ああ、管理部の」
「そう、木村建さん」
「あの人ね」
同じ会社の管理部の者だ、三十になったばかりで細面に鋭い目にいい声の持ち主だ。仕事におけるフットワークのよさと温和な性格と対応には定評がある。
「いい人ね」
「そうでしょ」
「あの人独身だし」
「交際相手もいないわ」
このことは伶音から話した。
「調べたら」
「えっ、調べたの」
「そうなの」
既にというのだ。
「いや、よかったわ」
「ちょっと待ってよ」
静香は伶音の今の平然とした言葉に引きつつ返した。二人は今は会社の中の休憩室でお茶を飲みつつ話をしている。
「もう調べたって」
「何か悪いの?」
「ちょっとそれは」
やはり引いた顔で言うのだった。
「ストーカーみたいね」
「そうかしら」
「そうしたことを調べるって」
「だってね」
「それこそっていうの」
「そう、私も焦ってるから」
だからだというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ