第一章
[2]次話
計画的恋愛
宮田伶音は焦っていた、何故焦っているかというと。
「遂に来たわね」
「大台に？」
「ええ、来てしまったわ」
同僚の森静香にも言う。
「二十五歳のね」
「まだ二十五際とは考えないの？」
こう問うた静香だった、黒髪を頭の後ろで団子にしていてやや膨らんだ頬に優しい感じの垂れ目だ。肌は白く背は一六二センチ位で胸がかなりありＯＬの制服の上からでもわかる。制服のスカートは膝まである。
「三十とかじゃなくて」
「そりゃあんたは去年結婚したから」
伶音は眉を曇らせて静香に返した。
「そう言えるのよ」
「つまり」
「そう、私は独身でしかも」
伶音は言うのだった、見れば細面で細長い五角形の顔の形だ、口は程よい大きさでピンクのルージュが似合う。眉は先が細くなっていて長い睫毛のはっきりした目である。鼻はすっきりとした形で整っていて黒のロングヘアの髪もさらさらとしている。背は一六八ありグラビアに出ても通用するスタイルだ。特に胸が目立つ。
「彼氏もね」
「いないから」
「だからね」
「二十五で」
「どうなるのかしらってね」
「不安なのね」
「このまま」
それこそという口調での言葉だった。
「アラサーになっても」
「独身だったら」
「最近よくある話じゃない」
「三十五歳独身ね」
「そうなったらね」
再びそれこそという口調で言うのだった。
「嫌だから」
「彼氏欲しいのね」
「そして出来ればよ」
「結婚ね」
「そう考えてるわ」
「考えてみれば」
静香もこの言葉を出したが伶音とは違う意味で使った。
「伶音ってお料理もお洗濯もお掃除も食器洗いも出来て」
「全部嫌いじゃないわ」
一人暮らしだが全て完璧にしていて部屋はいつも奇麗だ。
「昔からね」
「そうよね」
「栄養も考えてるわ」
食べるもののそれもだ。
「栄養士の資格も持ってるし」
「そうよね」
「頑張って取ったから」
働いている部署は総務課であるがだ、尚静香も総務課である。二人は今は会社の外のうどん屋で昼食を摂りつつ話をしているのだ。食べているのは二人共月見うどんだ。
「そっちもね」
「自信あるわよね」
「そうよ」
「顔もそこそこ、スタイルもいいし」
さらに言う静香だった。
「性格もちょっと怒りっぽいし気難しいところもあるけれど」
それでもというのだ。
「特に問題にならない位だし」
「自分でもそうしたところはわかってるわ」
「結婚出来そうだけれど」
「けれど彼氏いない歴一年半よ」
「そうなのね」
「どうしたものかしら」
首を傾げさせて言う伶音だった、うどんをすすりつつ。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除