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提督はBarにいる。
幹部会?いいえ、女の戦いです。
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「さて、報告しなければならない内容は以上です。後は皆さんの中から特に問題提起したい議題が無ければ、懇談会に移りたいと思いますが?」

 懇談会。このつまらない幹部会の一番の楽しみでもある。会議の後で腕自慢が料理などを持ち寄り、宴会を開くのだ。なんだ、いつもの事じゃないかと読者諸君は思われるかも知れないが、そこは嫁艦という共通項を持った者同士、互いにしか解らない苦労や不満もあるもので、そういう愚痴や不平不満を吐き出す場でもあるのだ。何より、今回は大量のケッコンがあった直後で新規参加者も多い。そこで提督に皆で食べられる料理を、と金剛はサプライズで注文しておいたのだ。ここ最近は揉め事も無いしこのまま会議は閉幕、と思っていたその時、

「ちょっといいですか?」

 と手を挙げた者がいた。工廠と資材管理を任されている明石だ。この明石の挙手が、冒頭の口論の始まりでもあったのだ。




「え〜、今回私が発言させて頂きますのは、工廠担当でも資材管理担当という立場でもありません」

 明石は一言目にそう断りを入れた。この明石、メインの業務は工廠と資材の管理なのだが、その他にも艦娘や職員のメディカルスタッフや酒保の仕入れ担当など、他の部署にも片足突っ込んでるような状態で、鳳翔さん並みのワーカホリック状態なのである。本人はその状況を気に入っているようなので、何も言うまいが。

「今回はメディカルスタッフチーフとして言わせて貰います。……アンタ等提督殺す気かいっ!」

 バァン!と机を叩く音に、何人かウトウトしていた艦娘がビクッ、と跳ねる。フゥフゥと顔を真っ赤にしながら荒く息を吐きながら明石は説明に使うのか、ノートパソコンを起動した。

「え〜、状況を掴めていない方の為にも、資料を交えてご説明します。事の発端は2週間前、医務室に珍しく提督がやって来ました」

 それは確かに珍しい、と金剛は唸る。あの就寝中心臓に杭でも刺さないとくたばりそうにない提督が医務室に。珍しいどころの話ではない。

「話を伺うと、どうにも疲れが抜けないのでサプリメントか何かを処方して欲しいと。一応検査もしましたが、健康状態には特に問題はありませんでした」

「……ならば、何故提督程の頑強な男が倦怠感を訴えているのだ?」

 そこに疑問を投げ掛けたのは武蔵だ。ケッコンしたのは最近だが、以前から鎮守府内のご意見番的ポジションで、密かに鎮守府内の揉め事を解決してくれたりしていた。

「そうですね……私達姉妹が言うのもアレですけど、提督のスタミナは艦娘と比べても見劣りするどころか勝っていると思いますし」

 そう付け加えて来たのは大和だ。確かに以前、自ら艦娘達を鍛えていた時には、ウェイト代わりだと駆逐艦の娘を2人おんぶして、20kmのロードワークをこなし
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