暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
ブルネイ第一鎮守府・戦力考察
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
でそんな面白……失礼、意外な戦いがあったとは。

「ケッコンカッコカリの指輪を貰う際にな。『私より強く無ければ夫として認めん!』と言ってな?」

 懐かしむように左手の薬指に填められた指輪を眺めながら語る武蔵。

「ボコボコにされたよ。艤装は無しのタイマンだったがな、あの化け物め、私を軽々と投げ飛ばしおったのだぞ?」

 提督は既に四十を越えた中年……下手をすると壮年に近い位の年齢のハズである。そんな人物が怪力を誇る武蔵を圧倒する……俄には信じ難い話である。これはもう少し追跡調査が必要であろう。



《駆逐艦・夕立の話》

「え、提督さんに勝てるか?それは無理」

 鎮守府内のトレーニングジムでサンドバッグを叩いていた夕立を見つけ、直撃してみた。口癖が『っぽい?』であるせいで曖昧な答えが返ってくるかと思ったが、あっさりと断言されてしまった。

「今もたまにミット打ちさせて貰うけど、未だに怒られるっぽい。防御が甘いと提督さんのミットが飛んでくるし」

 夕立の格闘技のベースはキックボクシングらしいが、それを仕込んだのは提督だとの事。重巡リ級ですら殴り倒す夕立の粗を見つけ出して、更に攻める?嘘を吐いているようには見えないが、武蔵の話も相俟って騙されている気さえしてきた。今度は視点を変えて、提督にどんな指導を受けたのかを調べてみようと思う。




《軽巡洋艦・神通の話》

「提督……ですか?はい、今もたまに稽古を付けて頂いてます」

 鎮守府の中に併設された陸上競技用グラウンド。目下新人教育の真っ最中だという神通を見つけて話を聞く事が出来た。今は基礎体力作りの為のマラソン中らしく、トラックを死にそうな顔をして新人の艦娘達が走っている。

「ホラそこ〜、私に追い付かれたら2km追加だよー!」

 新人達の後ろを嬉々として那珂ちゃんが走っており、追い付かれまいと必死に足を動かしている。

「今はまだ軽く10km位ですね。これから日程が進むに連れて、徐々に距離を伸ばします」

 あぁ、そういえばこんな感じだったなぁ……と当時を思い出しつつ、新人の艦娘達に心の中で合掌しておく。これはまた準備運動の段階だ、地獄はこれからなのだから。

「そういえば、提督について聞きたいのでしたよね?」

 そうだった、メインの目的を忘れていた。提督にどのような指導を受けたのかを聞いて廻っている、と言うと

「技術面は格闘技を一通り。後は刀やナイフの扱い方、それにそれを使った組み手等の実戦訓練が多かったですね」

 提督本人から柔術の有段者だとは聞いた事があった。しかし剣術等は素人なのではないだろうか?

「いえ、剣術に関してもこの鎮守府では一番の使い手だと思いますよ?私も未だに勝てた事がありま
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ