ー 平和な日常 ー
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
出したらしいキリトがポンと手のひらを打った。
「あぁ、思い出したぞ! なんかやたらとマニアックな武器やら悪魔的彫像とか、SAN値が削れるような代物が並ぶって噂があった奴か!」
「失礼な! 私はマトモだい!」
「……やっぱり知らなくてよかったかも」
速攻で手のひらを返すアスナに、言外にマニアック呼ばわりされて声を荒げるシィ。 そこに、どうだか、とユーリの冷ややかな視線が突き刺さる。
「例えば、お前は何売ってたんだよ……」
「み、巫女服とか……ヴィクトリアメイドとか?」
「「「…………」」」
「じゅ、需要があるから仕方ないじゃん!」
シィの発言を聞き、一斉に押し黙る三人。 一人は地味にトラウマを刺激され、残る二人は頭を抱えるユーリを心配そうに見つめながらも被害が飛び火せずに済んだことにこっそりと安堵のため息を洩らした。 一方で三人の露骨な反応に苦笑いを浮かべるシィであった。
「まぁ、今はやってないんだけどねー」
「へぇ、またなんでなんだ?」
「軍が、土地税払えだなんだってめんどくさくてね」
あの野郎共、次あったらタダじゃおかねぇと何やら穏やかではない言葉は聞かなかったにしつつ、またそれとは別の理由でキリトとアスナは驚いた表情を浮かべ、顔を見合わせる。
「……軍が徴税に乗り出すって噂があったけど、ほんとだったんだ」
「うん。 最近、リーダーの人が変わったらしくて、段々エスカレートしてるらしいよ」
アスナに返答しつつ、メッセージウィンドウに素早く文字を打ち込んでいく。 宛先は件の保護しているプレイヤーらしい。
ターンッと最後の一文字を入力し、メッセージが無事送信されたことを確認すると、ティーカップに手を伸ばし、空だったことを思い出す。
お代わり〜、とカップを差し出すシィに応じたのはアスナではなく、ユーリ。 近くにあったポットを引き寄せ、十分に温かいことを確認し、カップへと注ごうと近づいたその時。 今まで大人しかったユイがシィの腕を振り払い、膝の上から飛び降り、着地とともに床を蹴る。 意識の隙を突いた完璧な不意打ち。 ポットを片手に即座に反応できなかったユーリへと容赦なく突進を敢行する。
「………!」
「ふぐっ!?」
「ユイちゃん?!」
鳩尾で幼女の突進を受け止めるハメになったユーリは、耐えきれずユイとともに床へと倒れ込んでしまう。 ユーリがクッションとなったためにユイは怪我はなく、ホッと胸をなでおろすのもつかの間、シィの悲鳴が響いた。
ワタワタと慌てるシィの足元には、先ほどまでユーリの手にあったティーポットが転がっており、そして、濡れた衣類や髪の毛から滴る雫から何が起こったかは一目瞭然だろう。
仮想空間故に痛みは《ペインアブソーバー》によって、シャットアウ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ