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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン63 蹂躙王と荒廃のHERO
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き、自身のスタンバイフェイズごとに1000ポイントのダメージを相手プレイヤーに与える」
「ま、まだまだ……」
「まだ俺のターンは続いているぞ。魔法カード、戦士の生還を発動。俺の墓地から戦士族モンスター、バーストレディを回収する」

 戦士の生還、あれは墓地の戦士族1体のみを対象とするカードのはず。壊獣カウンターは3つあるし、ここでジズキエルの効果を使うべきだろうか。だけどすでに効果を使った以上、ヘル・スナイパーが次にあの凶弾を放つのは次の覇王のスタンバイフェイズ。そんな相手を今更、このタイミングで破壊する価値があるだろうか。
 いや、効果の出し惜しみはよくないか。それに、ヘル・スナイパーも融合ヒーロー。ならば墓地に送ってしまえば、融合ヒーローの性としてごく一部の例外を除けばもう蘇生も帰還もできないはずだ。

「ジズキエルの特殊能力、神鏡!戦士の生還を無効にし、ヘル・スナイパーを破壊する!」

 覇王が発動した戦士の生還のカードに先ほどジズキエルが身にまとったような光沢が走り、そこから放たれた光が今度こそヘル・スナイパーを撃ちぬき消滅させる。まったく、随分てこずらせたもんだ。

 KYOUTOUウォーターフロント(3)→(0)→(2)

 場ががら空きになり、サルベージも失敗した覇王。だがその口元には薄い、嘲りを隠そうともしない笑みが浮かんでいた。

「礼を言うぞ、このタイミングでその効果を使ってくれて」
「え……?」

 囮。その言葉が脳裏をよぎる……が、もう手遅れだ。

「速攻魔法、コズミック・サイクロンを発動。1000ライフを払うことで、フィールドの魔法または罠を1枚除外する。俺が除外するのは当然、KYOUTOUウォーターフロントだ」
「しまった!」

 ウォーターフロントは自身の壊獣カウンターを使用しての破壊耐性があり、さらに対象を取る効果に対しては牽制のできたジズキエルがいる。そのおかげで油断していたけど、覇王の狙いは最初からウォーターフロント一択。
 こうして壊獣カウンターを乗せるカードがなくなってしまった以上、もはやジズキエルもただ攻撃力が高いだけのバニラモンスターに過ぎない。そして攻撃力だけで安心できるほど、この男は甘くない。

 覇王 LP1900→900

「やってくれるじゃん……!」
「さらにトラップ発動、ヒーロー・ブラスト。俺の墓地から通常モンスターのE・HEROを1体回収する。俺が手札に戻すのはクレイマンだ。この後でさらに別の効果があるが、今はその条件を満たしていないので使えないな」

 この状況でクレイマンを手札に戻すだなんて、まさか壁にするつもりでもあるまい。また手札にあるのだろう、融合召喚を行うためのカードが。その思考を裏付けるように、先ほども見たあのカードを再び覇王
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