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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン63 蹂躙王と荒廃のHERO
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「やっと来たの?遅い遅い、何やってんのさ。魔法カード、七星の宝刀を発動!手札からレベル7モンスターの粘糸壊獣クモグスを除外し、カードを2枚ドローする。そして装備魔法、(ディファレント)(ディメンション)(リバイバル)を発動。手札を1枚捨てることでゲームから除外されているモンスターを特殊召喚し、さらにこのカードを装備する。クモグスを特殊召喚!」

 空中高くから風切り音とともに大蜘蛛の壊獣が落下し、8本の足を使い着地の衝撃を分散させる。さあ、ここからは僕のターンだ。あのつんと澄ました嫌味な顔に、ジムの分まで一撃叩き込んでやる。

 粘糸壊獣クモグス 攻2400

「いくら回復したところで、クモグスの攻撃力はその数値より上!バトル、クモグスでダイレクトアタック!」

 粘糸壊獣クモグス 攻2400→覇王(直接攻撃)
 覇王 LP5200→2800

「どうだ!」
「温いな。所詮この程度か」

 クモグスの一撃をまともに受けても、顔色一つ変えない覇王。張りあいはないが、こちらが有利なことに変わりはないので気にしない。さすがに、今の攻撃だけで正気に戻るだなんて都合のいい展開は最初から期待してなかったし。

「今のうちに言ってな。ターンエンド」
「俺のターン、守護神の宝札により2枚ドロー。魔法カード、闇の量産工場を発動。このカードは墓地の通常モンスターを2体選択し、そのカードを手札に加える。クレイマンとバーストレディを回収し、ダーク・フュージョンを発動する」
「ダーク……フュージョン……?」
「そうだ。手札及びフィールド上のモンスターを素材とし、悪魔族の融合モンスターを融合召喚する」

 クレイマンとバーストレディの2体が宙に浮き、上空に生まれた怪しげな黒い渦の中に飲み込まれて混じり合う。通常の融合ならば、あの2体の組み合わせを指定しているのはランパートガンナーだ。だけど覇王は今、悪魔族の融合モンスターと言った。一体、どんなモンスターが目を覚ますというんだか。

「来い、E−HERO(イービルヒーロー) ヘル・スナイパー!」

 そして僕がその黒い渦を仰ぎ見た瞬間に上空の暗雲を貫いて、紅色の邪悪なHEROが地上に降り立った。素材が同じだけあって女性型モンスター、右腕が巨大な銃になっているなどランパートガンナーに似た部分も存在するが、それでもあれは十代のモンスターではなく、覇王のモンスターだ。なまじ類似点があるだけに、余計にその思いが強くなる。

 E−HERO ヘル・スナイパー 守2500

「イービルヒーロー……?だけど、ようやく特殊召喚してくれたね。この瞬間を待ってたんだ、リバースカードオープン!速攻魔法、終焉の地!相手がモンスターを特殊召喚した時に、デッキからフィールド魔法を発動
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