ターン63 蹂躙王と荒廃のHERO
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る。
の、だが。駄目だ、この手札だとまだ動けない、今欲しいのは防御のカードじゃなくて反撃のカードなのに。
「……さらにカードを1枚セットして、ターンエンド」
「俺のターン。この瞬間守護神の宝札のさらなる効果が適用され、このカードが存在する限り俺が通常のドローで引く枚数は2枚となる」
先ほどのドローと合わせ、覇王の手札は既に3枚。つい先ほど5枚もの手札を捨てたことを考えると、信じられないほどの枚数だ。
「来い、バーストレディ。そのまま攻撃しろ、バースト・ファイヤー!」
「このカードはまだ……ぐわっ!」
バーストレディの攻撃力は1200。クレイマンよりは上だが、いくらなんでもこの攻撃に対しこのカードを使うのはもったいなさすぎる。
E・HERO バーストレディ 攻1200→清明(直接攻撃)
清明 LP3200→2000
「ぐっ……」
自分で通すと決めた攻撃とはいえ、やはり食らうと結構痛い。服の端に火が燃え移ったのをもみ消す僕を見て、覇王が心の底から馬鹿にするようにため息を漏らした。
「随分期待外れな相手だな。ジム・クロコダイル・クックとかいったか。奴の方が貴様より遥かに楽しめた」
「ジム!?どういうこと、なんでジムの名前が……!」
さすがに今のは聞き過ごせず、慌てて問い詰める。僕の知る限り十代とジムの間に直接の対決はなかったはずだから、もし今の言葉が事実だとすればそれはつまり、どういう経緯かは知らないがジムがこの覇王を相手にしたということになる。そして、今この場にいるのが覇王ということはつまり、ジムは……。
「よ、よくも!」
「だったらどうした?カードを1枚伏せてターンエンドだ。さあ、貴様なりの抵抗を少しは見せてみろ」
清明 LP2000 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:3(伏せ)
覇王 LP4000 手札:2
モンスター:なし
魔法・罠:守護神の宝札
2(伏せ)
「僕のターン、ドロー!」
今の告白を受け、僕の内部でまた少し闇が増える。衝撃も悲しみもすべて燃料とし、怒りと闘志だけがただ高まっていく。もはや僕のライフは残り半分……だがそれすらも、いいハンデだと思えるように思考が書き換えられていく。デュエル前にも同じことが起きたが、重要なのは怯まずに相手に食らいつくこと。ここで弱気な思考は、ただ勝負の邪魔でしかない。
「スタンバイフェイズにトラップ発動、デストラクト・ポーション。俺のフィールドのバーストレディを破壊し、その攻撃力分ライフを回復する」
バーストレディが苦悶の表情を浮かべ、次の瞬間その体が粉々に砕けて消える。これでまたリリース要因が消えた……けど、このカードさえあれば。
覇王 LP4000→5200
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