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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part3/地下に眠る少女
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は、これまでに発生し続けたトリステインの危機を未だに自覚しきれていないという証拠だった。その生徒は、実は幸運にも怪獣災害や星人の誘拐事件に巻き込まれなかった者だった。彼以外にも同じ類の人と思われる生徒たちも、銃士隊を見て眉を吊り上げている。自分たちより身分の低い者に、元はただの平民だったアニエスに命令されているのが非常に気に食わなかったことも大きな理由だった。
「そうだそうだ!威張るな!下賤の出の分際で!」
「魔法も使えもしない下郎が…」
?彼に続いて、他の生徒たちも彼女に対して傍若無人な文句を垂れはじめる。
「……」
?たかが平民、女。オスマンに突かれた屈辱のワードが、まともに戦いも知らない生徒たちからの言葉と重なってアニエスの心を不快に刺激し始めていた。
「なんだよ?図星を突かれて声も出せないのか?はっ、これだから平民は……ぐぁぁ!!?」
?返答しないアニエスに、言い負かしてやったといい気になったその男子生徒だが、その直後だった。アニエスはその男子生徒を、前触れなくキレのある背負い投げで芝生の上に投げ倒し、押さえつけてしまった。突然の彼女の行動に生徒たちも銃士隊も驚きを露わにした。
「き、貴様卑怯だぞ!!やるなら正々堂々戦…っが…!!」
?芝生の上に押さえつけられた男子生徒はアニエスに文句を言い出す。しかし、アニエスからさらに強く腕をきつく押さえつけられ、言葉を続けられなくなる。アニエスはギロッとその生徒を睨み付け、静かに言い放った。
「戦場では…敵はいかにも卑劣な手を使うかわからない。今が戦場だったら、貴様は殺されていた頃だぞ」
「ひ…」
?これまで怪獣災害や星人の侵略が始まる前に、メイジを相手に勝利を飾ってきたアニエスのプレッシャーに、男子生徒は思わず悲鳴を漏らし始める。それと同時にアニエスは男子生徒を離した。
「い、いいのか!?そんなことを言って!僕の父上がお前を…」
?解放された生徒は、虚勢を張りながらアニエスに向けて怒鳴るが、そんなことで怯むアニエスではなかった。
「私が女王陛下直々に、貴様らに訓練を施すように命じられたのを忘れたのか?」
?その一言で、押し黙らされた生徒たち。銃士隊がこうして自分たちに訓練を与えるのは、女王からの勅命によるもの。その命令には、貴族である彼らも例外なく従わなければならないから、アニエスの言葉を女王の命令として受け入れなければならなかった。
?女王のお眼鏡にかかったからっていい気になりやがって…と思うが、それは彼らも同じこと…。貴族の生まれという後ろ盾で己の傲慢さをひけらかしていたのだから。
「いいか、男子生徒諸君。貴君らはじきに女王陛下からの徴兵命令が下されよう。それまでに我らの訓練で基礎を培っておけ!
女子生徒諸君、君たちもだ!場合によっては我々のように、君たちも戦場に立つ
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