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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百三十三話 捕虜交換後(その1)
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ようにバラ園で襲撃されるなどという事があってはならん……。


帝国暦 489年 1月 1日  帝国軍総旗艦 ロキ エーリッヒ・ヴァレンシュタイン


メックリンガーが帰った。彼は照れ臭そうな顔をしていた。俺も多少照れ臭かったが、今は考えなければならない事がある。メックリンガーの言う通りなら俺は考え違いをしていたかもしれない……。

フェザーンは既に独立を失っている。地球がフェザーンの独立を守るのならルビンスキーを同盟、帝国に差し出しただろう、物言わぬ死体でだ。フェザーンの独立を守り、地球の秘密を守るにはそれしかない。それが無かったという事は地球はフェザーンの独立に拘らなかった事になる。

おそらくルビンスキーは帝国に宇宙を統一させ、その後に帝国を乗っ取るべきだと地球の総大主教を説得したのだろう。そして総大主教もそれを受け入れた。だからフェザーン進駐まではラインハルトの絡みで色々とあったが進駐以後は俺を狙ったテロは無かった。

帝国が宇宙を統一するまではテロは無いと俺は考えていた。そんな時にキュンメル事件が起きた。あれは地球の一部、帝国と同盟を共倒れさせるべきだという考えを持つ人間が総大主教の意思に反して行った事だと思っていたがそうではなかったのかもしれない。

地球は内戦後、俺とリヒテンラーデ侯の間で権力闘争が起き勝った方が独裁者になると思っただろう。そうであればルビンスキーの言うとおり、帝国を乗っ取るのは難しくないと考えたかもしれない。

しかしその予想は狂った。俺は自分が死んでも帝国の進路が揺るがないようにと考えた。だから権力を俺に集中させる事はしなかったし、帝国の進路も皆に説明した。内乱終結後の帝国は地球から見て乗っ取りづらいと見えたかもしれない。

だとすれば地球が考えを変えた事は有り得るだろう。乗っ取り辛いが混乱はさせ易い……。俺を暗殺して帝国を混乱させる。メックリンガーの心配するとおり、帝国が分裂するかどうかは分からないが時間を稼ぎ同盟の戦力を回復させる事ができると考えたかもしれない。当初の予定通り帝国と同盟を共倒れさせる事ができると。有り得ない事ではない。

地球はこれから帝国の力を弱めようとするだろう。キスリング、アンスバッハ、フェルナーに警告を出さないといけないな。テロは連中の得意技だ、VIPへの身辺警護を徹底させなければならん。後でオーディンに連絡を入れるとするか。警護の強化か……、うんざりだな。

問題は同盟か、地球が同盟にどんな手を打ってくるか……。現時点では地球は同盟政府に対して強い影響力を持っていないようだ。ヤンはトリューニヒトは地球とは無関係だと言った。原作ではトリューニヒトが地球に取り込まれるのは救国軍事会議が起こった後だ。この世界ではクーデターは起きていない、である以上ヤンの言う
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