第2章:異分子の排除
第39話「臨海学校」
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ないもんね。」
特に俺たちは普通じゃないからな。
平衡感覚をきっちり崩しておかないとあまりにも味気なく終わってしまう。
「あ、ユーリ!もう少し右だよ!」
「あ、はーい!」
「ユーリちゃん、行き過ぎ!左に5度だ!」
「はい!...って、細かいですよ!?」
具体的過ぎて細かすぎたようだ。...ま、態とだけどな。
「スイカ割り?いいわねー。あたし次やっていい?」
「鈴か。いいぞー。」
「...っと、ユーリちゃん、その辺だ!」
後ろで鈴と秋十君の会話を聞きながら、ユーリちゃんに最後の指示を出す。
...目の前まで来たら指示をやめないと確実に当ててしまうからな。
「っ、やぁっ!」
「あ、惜しい!」
だが、振り下ろされた木刀はスイカのすぐ横に当たった。
「あぅ...外してしまいましたぁ...。」
「じゃ、次あたしね!」
勢いよく鈴がバトンタッチして、始める。
そうしてしばらく続けている内に、本音やなのは、シグナムも集まり、それなりの人数で楽しくスイカ割りができた。
もちろん、割ったスイカは皿に分け、皆に振舞った。
「...はっ!」
「お、ドンピシャだな。」
秋十君が振り下ろした木刀が、きっちりとスイカを捉える。
...これで残りのスイカは一つ。集まった皆も一度は挑戦したようだ。
「...じゃ、最後は俺だな。」
「挑戦というかパフォーマンスになりません?」
秋十君...それ、俺が割るの確定してるじゃないか。その通りだけど。
「じゃあ、俺が回します。桜さん自身が回っても意味なさそうなので。」
「そうだな。」
自分で回った所で俺は目が回らない。他の人に回してもらわないとな。
「...よし、オーケーです。」
「....っし...。」
静かに木刀を構え、スイカを目指して歩き出す。
もちろん、ちゃんと目隠しをしているから場所は分からない。
だけどな...。
「....こっち、だな。」
「.......。」
見えていなくても、気配がなくても、探し当てる術はあるんだよな。
「.....シッ!」
“ここだ”と思った場所に木刀を振り下ろす。
...手応えあり。
「...木刀でなんでそんな真っ二つにできるんですか。」
「剣速を速めた。」
「それでできたら苦労しません。」
まぁ、“水”の応用だな。
「...で、敢えて途中では聞きませんでしたけど、どうして場所がわかったんですか?人間とかが相手じゃないから、気配とかもないはずですけど。」
「ん?それはな...。」
手順は簡単。まず、地形をしっ
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