暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第39話「臨海学校」
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〜、高い〜!」

 気合の入った掛け声とともに、千冬は受け止め、高く上げる。
 本音の気の抜けるような声が聞こえるが、周りの歓声で掻き消える。

「チャンスか...!」

「私が行くよ!」

 こちらのコートギリギリの場所にボールが落ちてくる。
 チャンスボールであるそれをマドカちゃんが思いっきり打ち、先生に向かう。

「えっ?へぷっ!?」

「が、顔面で受けた!?」

「先生!?」

 先生はそれに反応しきれず、顔面で受けてしまう。
 なのはが心配して駆け寄るが、どうやらそこまで大した事はなかったみたいだ。

「っと、チャンスだぞ秋十君!」

「はぁっ!」

 一応、試合自体はまだ続いていたため、俺が高く上げて秋十君が打つ。
 鋭く放たれたそのボールは、本音の方へ向かい...。

「あわわ...っ!!....あれ?」

「そこだっ!」

 慌てながらも偶然きっちりと高く上げられ、千冬の反撃が来る。

「しまっ...!」

「く、ぐぅ...!」

 俺から離れた場所を狙われ、秋十君がフォローに行ったが間に合わなかった。

「...これで一点だ。」

「くっ....!」

 先手を取られた。俺に対してあからさまに言ってくるのにイラっと来る。
 ...やり返してやろうじゃねぇか...!

「あ、やば....。」

「なのは!」

「はいっ!」

 相手からのサーブを秋十君が受け、なのはが高く上げる。
 マドカちゃんが何か感付いたようだが、もう遅い!!

「は、ぁっ!!」

「っ!」

 俺がやられたのと同じように、千冬から離れた所に打ち込む。
 シグナムならカバーできる位置だが...まぁ、悪いなシグナム。

「速い....!」

「...やられたらやり返すぜ?」

「ほう....。」

 これで同点。...さて、仕切りなおしだ...!

「くくく....!」

「ははは....!」

「これもう桜さんと千冬姉の戦いなんじゃ...。」

「私たち、割り込めるかなぁ...?」

 秋十君となのはが何か言っているが知らん。勝負はここからだ...!





「.....っつぅ....!」

「...織斑君大丈夫?」

 ...ちなみに、織斑は千冬が最初に入った時に千冬のボールをまともに受けたらしく、陰で倒れ込んでいて一部の女子に心配されていたらしい。











「....疲れた....。」

「はぁーっ!...勝った...!」

 しばらくして、秋十君は疲れ果てたように近くに敷いたシートの上に寝転ぶ。
 ちなみに、接戦だったが何とか勝てた。


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