暁 〜小説投稿サイト〜
メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Cパート 後半
[9/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
とな」
そう言うと天桐は、ハルナに手を差し伸べた。
「?」
「じゃあ、これからも宜しくな」
そう言った天桐にハルナは、少し笑って自分の組んでいた右手を差し出した。
「えぇ、こちらこそ」
握手をした。手を離すとハルナは天桐に向かって
「けど、いい?同い年でも私が先輩なんだからね」
念を押すように言われた天桐は、軽く笑みを浮かべながら言った。
「あぁ、宜しくな。センパイ」
何かと仲が良好になったそんな二人の様子を聞きながら、車庫の隅で岡野は隠れていた岡野が居た。
二人が仲良くなったことを喜んでいるようで少し嬉しそうな岡野。だが、その表情は一瞬で暗くなり、そのまま独り言を言った。
「これで、良かった・・・よね」
その顔は、何かとても残念で悲しい感じだった。


それから、しばらくして6月11日。
その日、天桐は学校が終わるとそのまま帰宅した。
だが、天桐は帰宅し制服を脱ぐと、すぐに外着の私服に着替えたのだ。
天桐は、着替え終わると時計を見て時間を確認すると、また外出した。
実は、今日の昼間にいきなり加埜からメールが来て、夜6時半に可華蜜へ来るように言われたのだ。
呼ばれた理由は、特に言われてはいないがおそらく大会に関することなのでは思った天桐は、約束の時間に合わせて可華蜜の前に到着した。だが、店を見た天桐はおかしく思った。
「あれ?明かりがついていない。てか、閉店してるぞ」
いつもついているはずの可華蜜の一階に電気がついていないのだ。そして、ドアには今日の営業は終了と書いてあるプラカードが掛かっていた。
いつまなら、まだ営業時間のはずなのを不思議に思った天桐。
「一応、入るか」
そう言ってドアの方へと歩いていった。
ドアノブを引くといつものドアについた鐘がなり、普通に開いてしまった。閉店のはずがドアは鍵がしまっていない。天桐は何か不安に思いながら、恐る恐る入った。
「お邪魔します。天桐です」
中に入ると中は暗く誰もいないようだ。
「あの、誰かいませんか?」
そう思い、奥の厨房の方へ歩いて行った。
「おーい、誰もいないのか?」
そう言った時だ。
パァンパァンパァンパァン
突然の天桐の周りで破裂音が連続して起こった。
「うわぁ」
それに天桐は大声を出し驚いた。
(な、なんだ一体?)
天桐は心臓の鼓動が激しくなった。
ゴクリ
一度、喉を鳴らした。すると、どこかから人の声が聞こえた。
「せーの」
パァ
店の中の明かりが一瞬で付いた。
突然、明るくなったので少し目を閉じた天桐は、再び目を開くと、視界には、自分の周りを囲んでいるたくさんの人が見えた。そして、彼らは一斉に大声でそう言った。
「「士良、お誕生日おめでとー」」
その言葉を聞いた天桐は腑抜けた声を出した。
「え?」
天桐
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ